愛用しているソニーのα7R III用にコシナのフォクトレンダー「SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical III E-mount」(レンズ名ながっ)を買ってみました。
その名の通りソニーEマウント専用のフルサイズ対応レンズで、焦点距離15mmの超広角マニュアルレンズです。
先日シグマの「16mm F1.4 DC DN」という広角レンズを購入していますが、このシグマのレンズはAPS-C専用レンズなのに対して、今回購入した「SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mount」はフルサイズ対応のレンズなので、フルサイズ機のα7R IIIに装着すれば焦点距離の数字通り(15mm)の超広角で使えるレンズになります。
SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mount購入金額
販売価格88,590円のところをクーポン利用とポイント還元分でほぼ8万円ジャストで購入。
クーポンと言うのは、購入した昨年12月17日頃に連日ヤフーショッピングで実施していた年末セールの「クーポン値引き」のことでこれを利用しています。
安い買い物ではありませんでしたが、MFレンズということもあり、Eマウント用フルサイズの超広角レンズの中ではSAMYANGとLAOWAを除けばこのレンズが最安だったりします。
SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mount開梱
しっかりした箱の中に発泡スチロール製のケース上下に挟まれた形でレンズが入っていました。
付属品は他のメーカーのレンズ同様に説明書やアンケートハガキ類。
「weil das objektiv so gut ist」という文字が箱に記載されていました。
グーグル翻訳によればドイツ語で「客観的にとても良い」とのこと。
SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mount外観
デザインや質感
オールメタル製で小型ながらズシリと重みがあります。
質感は非常に高く、これに不満を訴える人はまずいないかと。
デザイン、質感共に素晴らしいの一言で、所有欲を満たしてくれます。
マニュアルレンズということで、どことなくクラシック感漂うルックスも素敵。
カメラもそうなんだけど、やっぱり見た目って本当に大事。
フォーカスリング
フォーカスリングは手前のカメラのマウント側に付いています。
フォーカスリングはぐるりと一周回せるタイプではなく、0.3と無限遠でそれぞれ止まります。
フォーカスリングの動きは滑らかで、程よいトルク感も手伝って回していて凄く気持ちが良いです。これはMFリングの醍醐味ですね。
ただ、個体差があるのかも知れませんが、私の個体の場合はフォーカスリングを回転させると、「スースー」と金属が擦れ合う甲高い音が割と大きめに聞こえるのがちょっと残念でした。
金属製のレンズの宿命で、どのレンズもある程度は仕方がないのでしょうが、MFレンズだと私が持っているオールドレンズの「Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.7」やYASHICAの「55mmF2」よりも若干音が大きめに鳴ります。
もちろん交換してもらいたくなるほどの音では無く、屋外の撮影時に聞こえることは100%無い程度で、物音ひとつしない静かな室内での動画撮影の場合なんかだと若干音を拾っちゃうかな?程度の音の大きさではありますが、フォーカスリングを頻繁に回す必要があるMFレンズだけにちょっと残念。
もっとも誰にもいじられないまま長期保管されていた在庫品だった可能性もある(レンズの発売日は2016年4月)わけで、回しているうちに音が消える可能性はあるのかも。
ソニーのカメラは動画撮影時のAF性能に優れるので動画撮影する人も多く、MFレンズはあまり好んで購入する人は少ないでしょうし。
絞り環(絞りリング)
絞り環はレンズの先端にあります。絞り値はF4.5からF22まで。
こちらも同様に心地良いトルク感とクリック感で回すのが気持ち良くて癖になるほど。
ただ、細いのでちょっと操作しづらいのは感じます。
この絞り環は「絞りクリック切り替え機構 」を搭載しており、音が鳴らないようにも設定可能…と動画撮影時の使用にも配慮していますから、尚更上記したフォーカスリングの音鳴りは残念に感じました。
レンズフード
レンズフードは非常に小さい上に固定式で外れません。
紛失の恐れも無く、レンズのサイズ感を損なわないサイズですから個人的には気に入っています。
レンズ前玉
前玉はこんな感じ。フィルター径は58mm。
レンズのサイズ感
先日購入したシグマの16mm F1.4と並べると約半分のサイズ。
片やフルサイズ対応で開放F4.5、片やAPS-C専用でF1.4の大口径と全く性質が異なるレンズなので、サイズ比較は参考にはならないでしょうが、私はソニー用の広角レンズはこれしか所有していないためご勘弁を。
MF専用だからこそフルサイズのレンズなのにこのサイズで作れるんでしょうね。
α7R IIIに装着した際のサイズ感はこんな感じ。
α7R III、SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mount共にズシリと重みがあり、予想以上に重量を感じるため、人によっては「片手で気軽に持ち歩く」とまではいかないかも知れませんが、ポケットに入ってしまうくらいの小さなレンズのサイズ感はやはり魅力的で、非常に取り回しやすいサイズなのは間違いありません。
α7R IIIじゃなく、初代のα7シリーズ(写真は私の初代α7S)だったら重量感含めて尚良し。
ちなみにα7R IIIのボディはフルマグネシウムでボツボツとシボ感があり、レンズの素材は不明ですが、ボディが黒光りしているため、見た目的にはあまり一体感はないかも。
写真上だと分かりにくいですが、α7Sのボディはツルんとしたメタル製ですので、こちらの方がトータルコーディネートはバッチリです。
Eマウント専用レンズのメリット
- ソニーEマウントセンサーに最適化された光学設計
- 電子接点ありでExif情報にレンズの使用状況が反映
- ボディ内5軸手ブレ補正に対応
- MFアシスト、液晶ダブルタップでのピント拡大可能
VMマウント用のSUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5もコシナから発売されている専用アダプターを使うことでαシリーズに装着可能で、
しかも「VM-E Close Focus Adapter」を使えば最短撮影距離が11.8cmと大幅に短くなる(Eマウント用の最短撮影距離は30cm)わけですが、Eマウント専用設計のSUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5の場合はそれ以上に上記のようなメリットが多々あるそうです。
詳細は公式サイトでご確認下さい。
レンズの主な仕様
- 最小絞りF22
- レンズ構成9群11枚
- 画角110°
- 絞り羽根枚数10 枚
- 最短撮影距離0.3m
- 最大撮影倍率1:15.4
- 最大径×全長φ66.4×62.3mm
- フィルターサイズφ58mm
- 重量298g
こちらも詳細は公式サイトでご確認下さい。
SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mount作例
以下α7RIIIに装着して私が撮影してきた「SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mount」のサンプル写真です。
クリックすると大きくなる写真は2048pxにリサイズしてFlickrにアップ、その他は680pxにリサイズしています。
開放のF4.5で。もちろんα7RIIIの描写性能も大きいのでしょうが、細かい枝までちゃんと描写していて驚きました。
30cmまで寄れるレンズなので、もっと寄ればこれより多少はボケますけど、超広角で開放F4.5のレンズですから、フルサイズ機で開放で撮影しても大きな背景ボケは難しいです。
これも開放F4.5で。これも文字までハッキリと。
樹齢約950年のとんでもない大きさの巨木。後ろは木々が茂っていて下がれず、木にはロープで囲いがしてあって近づけずで撮影が難しいのですが、超広角レンズなら半分以上おさまる形で撮れました。
この木は昔はロープで囲っていたりしていませんでしたが、木にダメージを与えるような罰当たりな人間でもいたのか、いつの間にか木に近くことさえ出来なくなりました。
人間の目って意外なほどに広角で、15mmだと残念ながら「目で見える全てを」ってわけにはいきませんが、美しい海や空も広々と撮れて思った以上に超広角レンズは使っていて楽しいです。
フレアとゴースト
ゴーストはこんな感じ。よく抑えられている方だと思いますし、あえて入れないような角度で撮影すれば殆ど気になりません。
F11まで絞っていますが、光芒(光条)が凄いですね。
ちなみに神社で撮影したらこんな写真も撮れました。恐らく「聖なる光」…かな?
普段は本当に「ちょっとお邪魔します」程度にしか入り込みません。
もっともゴーストやフレアは好き好きでしょうけどね。私はむしろ入った方が好み。
F8以上でピント合わせ不要?
このレンズ「F8以上まで絞ればフォーカスリングを無限遠に合わせるだけでピント合わせが不要になる」というレビューが書かれていたので試してみた写真。
確かに超広角レンズはパンフォーカスになりやすいそうですし、そんなアバウトな感じでもOKみたい。
ただ、室内のような近景の場合はやはり合わせたいポイントにしっかりピントを合わせる必要があるようで、これもF8まで絞り、無限遠側にして上の写真同様に適当に撮ってみたのですが、見事に全ての猫たちに微妙にピントが合っていない写真になってしまいました。
周辺減光等
JPEG撮って出し。カメラ内の補正オートで処理していますが周辺減光が見られます。
青空を撮ると割と顕著に見られることが少なくないですが、超広角レンズなのでこの程度は仕方が無いのかも。
プロの作例を見ても同じようですから。
こっちはRAWで撮影してきたのをLightroomで読み込んで、レンズのプロファイル補正で補正しただけの写真です。
噂に違わぬ素晴らしいレンズだが
以前から一度使ってみたいと思いつつもなかなか購入に踏ん切りがつかなかったコシナのフォクトレンダーのソニーEマウント用超広角レンズ。理由としては
- MFレンズであること
- リセールバリューが低いこと
- それなりに高額であること
- 他に良い超広角レンズがあること
の4点でした。
MFレンズであることは私はα7Sで経験済みだからか、ファインダーの解像度アップ等々で更にMFレンズでの運用がしやすくなっているα7RIIIでの運用は予想以上に容易いものでした。
リセールバリューの低さに関しては、SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mountのヤフオクでの落札価格がなんとたった52,000円と驚くほどの低さだったことを事前にチェック済みの上で今回買っています。
価格に関しても約8万円でしたから納得の上。
ただし、それでも「万人に対してオススメ!」とはやはり言えないのが偽らざる本音なのは、やはり4番が一番大きいです。
ソニーEの広角レンズたち
例えばソニーEマウントには超広角から使える「純正、AF使用可、ズーム、描写力が抜群と評判」の
この3本が揃っています。
SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 E-mountとどちらが写りが良いのかは、これらのレンズを使ったことが無い私には分かりませんが、これらは全てズームレンズで焦点距離が変えられるのがやはり魅力的。
単焦点の超広角15mmだと「これ1本だけで済ます」というわけにはいかないけど、35mmまで使えるレンズなら1本だけでそれなりに色々と撮れてしまう便利さがあるので。
更に超広角なフォクトレンダーも
それとこのフォクトレンダーは3兄弟で、
- ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 E-mount
- HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6 E-mount
という兄貴達がいて、両方共に価格コム最安調べで、現在11万円弱(15mmに2万円程度上乗せすれば手に入る)で売られている点もこの15mmを素直にオススメ出来ない点。
実は私自身も10mm、12mmのいずれかと悩んだのですが、私は超広角レンズ自体が初体験で使いこなせそうもなさそうだし「とりあえず15mmくらいから」と思って今回は15mmをとりあえず選びました。
ところが実際に使ってみると、超広角の世界が意外と楽しくて、「もう少し広角だと面白そう」みたいな欲が出てしまい「12や10だったらどう写ったのだろうか…」と感じてしまうことが多々発生しています。
そんなわけで、せっかく買ったは良いけど、もう一本欲しいな…と良からぬことを考えてしまっているのが現状だったり…(苦笑)
とはいえ、コンパクトで安価で写りもバッチリのレンズですから、「初めての超広角レンズ」としては文句無しだと個人的には。もちろん買って本当に良かったです。
それにしても超広角の世界は思いのほか楽しいですね。
こればかり使っていたら飽きるでしょうけど、しばらくは楽しめそう。
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