α6500用に購入してみたソニーEマウント用レンズFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS SEL70300G。
10万超えの高額なレンズなので購入するか非常に迷ったものの、α6500に加えてフルサイズのα7Sも所有しているから、こっちにも使えるし、ソニー用の望遠レンズが1本あっても良いかなと思い購入してみました。
基本的にカメラは古くなるにつれ価値が下がる一方だけど、レンズは大事にさえ使っていれば年数が経過してもそれなりの価格で買い取ってもらえるので、多少高額でも資産価値の意味でも(あくまでもカメラと比較して)ありなのかなとも。
ちなみに今現在の落札相場を見てみると、ヤフオクでSEL70300Gの新品同様の中古ですら12万円近くで落札されている状態。
SEL70300Gの購入金額
購入したのはヤフーショッピングが大幅ポイントアップを行なっていた去年の12月(届いたのは1か月後だったけど)で、購入価格は126,060円でしたが、ヤフーポイントがなんと21,300ポイントも付いた上、貯まってたポイントが5000くらいあったので、約10万円で買えた計算。
このレンズが発売されたのは2016年の4月28日で、発売日から今までの期間で価格コムで最安を調べてみても、118,000円が最安でしたから、ポイント含めてとは言えかなりお得に買えたのではないかと。
ヤフーショッピングで購入した際に付与されるヤフーポイントの場合は期間限定ポイントで還元されるポイントが多く、そのポイントは2週間で消失してしまうため非常に使いづらかったりするのですが、その点を除けば、プレミアム会員(月額498円)になってさえいれば常にお得に買えるので高額商品を購入するならヤフーショッピングがほんとオススメ。
カメラなんかだと、マップカメラやキタムラが入ってるし、家電系でもJoshinとかコジマとかあるから、還元されるポイントも含めると楽天はもとより、価格コム最安店より断然安く買えることが殆どです。
問題なのは、付与されたポイントを2週間で使い切らないといけないために、無限の買い物ループに陥ってしまう点ですが…。
SEL70300Gの外観詳細
SEL70300Gのレンズポーチ
お馴染みのオレンジ色の箱に入ったレンズを取り出すと、なかなか質感の高いレンズポーチが同梱されていました。
恐らく合皮で表面は水分を弾きます。かなりしっかりした作り。
SEL70300Gのサイズ
最大径が84mmで長さが143.5mm。重量は854g。長さはレンズフードつけると伸ばさない状態で丁度500mlのペットボトルと同サイズ。
レンズフードがかなり大きい。
最大に伸ばした状態(テレ端)でのサイズ確認写真。
こうやって客観的に見るとやっぱデカイな。2リットルのペットボトルの大きさとほぼ同じでした。
重さはやっぱりズシっときます。特にα6500は小型軽量なので、フロントヘビーになってしまい、装着時のバランスは悪いです。
冒頭の写真のようにそのまま下に置くとカメラ本体が浮いてしまうし。
もっともAPS-Cのカメラに装着すると35mm換算でテレ端450mmの超望遠レンズですから、このくらいの長さと重量は仕方がない。
SEL70300Gと24-105mm F4 DG OS HSM
ここからのサイズ比較は余談になりますが、私が持ってるレンズの中で最重量のシグマの「24-105mm F4 DG OS HSM」と比較するとこんな感じ。
長さはSEL70300Gの方が長いものの、最大径は4.6mm細く、重量は31g軽い。
SEL70300Gと他メーカーの望遠レンズ
同じ望遠で比較すると、
- CanonのEF-S55-250mm F4-5.6 IS(X3に同梱されていた旧型)
- ニコ1用の1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6(35mm換算81mm-297mm)
と比較するとこんな感じ。
ニコ1のレンズは35mm換算だとテレ端297mmまでですが、重量はたったの180g。
望遠で撮影するのがメインなら35mm換算で焦点距離が伸びるマイクロフォーサーズ等のセンサーサイズが小さいカメラがやっぱり良いのかもですね。
SEL70300Gと他のEマウントレンズとの比較
- 18-105mm F4のSELP18105G
- 55mm F1.8のSEL55F18Z。
SELP18105GはAPS-C専用で、SEL55F18Zはフルサイズ対応。
SEL70300Gの性能・機能
- レンズ構成:13群16枚
- 最短撮影距離:0.9m
- 最大撮影倍率:0.31倍
- 焦点距離イメージ:70mm-300mm(APSC装着時105-450mm)
- 開放絞り(F値):4.5-5.6
- フィルター径:72mm
- 大きさ:最大径84mm、全長143.5mm
- 質量:約854g
- 光学式手ブレ補正機構の搭載
- ナノARコーティング採用
- リニアモーター採用
- フォーカスホールドボタン搭載
- フォーカスレンジリミッター搭載
当然のようにレンズ保護フィルターを装着したけど、せっかくフレア・ゴーストを大幅に低減してくれる「ナノARコーティング」が施されているんだから、本来の実力を発揮させるためにはやっぱりフィルターはつけない方が良いんでしょうね。
と分かってはいるものの、万一売りたくなる時の事も考えると、レンズ保護フィルターは必須になってしまいます。
ちなみにフィルターはシグマのWR PROTECTOR(保護用撥水・帯電防止タイプ)を1個だけ買って、同じ72mm径のレンズ間(現在3本所有)で使い回しています。
外に持ち出すレンズにつける形。ちょっと高いけどWR PROTECTOR良いです。
シグマと言う超一流レンズメーカーが作るフィルターって安心感もあるし。
最短撮影距離は90cmとCanonの「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」の1.2mなんかと比較してもかなり寄れる仕様のようです。30cm違うのはやはり大きい。
SEL70300GのAF速度&精度
α6500での使用はもとよりα7S(ほぼ一点で合わせてますが)でもワイド端、テレ端共に速さも精度も文句なし。
動画撮影時のAFもフォーカスエリアに関わらず非常に高速で正確です。
SEL70300Gの作例
以下、Flickerにアップしているのでクリックで拡大します。RAWで現像し、2048pxにリサイズしてます。使用したカメラは全てα6500。
描写力は評判通りのようで、シャープでキレが良い写真が撮れます。
それにしてもこのハクセキレイを「ビシ!」っと撮れた試しがありません。小さくてちょこまか素早く動くからピントを合わせらないみたい。
α6500を使えば腕がある人ならバッチリ撮れるのでしょうが私の腕ではα6500を使っても…。
この写真だけリサイズしないでそのままのサイズ(横6000px)でアップしてみましたが、やっぱりFlickeだと勝手に2048pxにリサイズされてしまうんで、撮ったままの写真の状態は確認できないもよう。
自分のiMac 5Kで撮影したデータをそのまま等倍で見ると、特に中央は小さな砂利までバキバキに解像しているけど、ネットにアップしちゃうとやはり伝わりませんね。
Flickerだと、誰でも自由にDL出来る設定にするか、お金払ってFlickr Proにすると実寸でそのままアップ出来るようですが…。
そういやα6500のようなAPS-Cセンサーのカメラにフルサイズ対応のレンズをつけると、
- レンズ中央の美味しい部分だけを使うから周辺の描写まで良くなるのでむしろ好ましい
- APS-CセンサーのカメラにはAPS-C専用に設計されたレンズの方がやはりベター
- イメージサークルが広いので、カメラ内部の内面反射が大きい事に寄るコントラスト低下だとか、標準レンズより短いレンズでの解像度不足が起こる
正解は一体どれなんでしょうね?3番目は知恵袋に書かれていた話で私はよく意味が分からないけど、何となくそれらしい事言ってるんで入れてみました。
確かにα6500につけるとイマイチ解像していない写真が撮れる時があったりする事はあります。
ボケに関しては割とうるさいようです。
このくらい背景に距離があり、整理されていればあまり気になりませんが、今の時期だと梅とか木々が近くで密集している被写体なんかだと二線ボケとかかなりうるさい感じ。
ただ解像度とボケは両立しないから、解像度が高いレンズは概ねボケがうるさくなるんだとか。
その両方の両立を目指して作られているのがソニーだと「Gマスターレンズ」なんだそうです。
玉ボケは年輪(ウイルス、玉ねぎ)ボケのようになる感じ。
望遠レンズ持つと申し訳ないと思いつつもコッソリ他人を撮ってしまいます。
このカップルのペアルックの後ろ姿があまりに可愛らしかったんで、つい…。
テレ端(35mm換算450mm)でシャッタースピードは1/60。
α6500のボディ内手ぶれ補正とこのレンズの手ぶれ補正で、完璧ではないものの手ぶれはまずまず抑えられた形。
密集状態の花を撮影した際のボケ具合はこんな感じ。
RAWで撮影後にLightroomのカメラプロファイルをポートレートにしただけで後は弄らずそのままアップしてます。
70mm(35mm換算105mm)ワイド端側で撮った写真も載せておきます。モノクロ処理は現像で行っています。
情報量が非常に多い写真ですが、α6500との組み合わせもあるからか、ディテールまでなかなか細密に描写できていてちょっと驚きました。
こちらもワイド端で。もう少し手前がボケると良かったかなって感じ。
開放(F4)じゃなくてF5.6で撮っているのに気付きませんでした(^_^;)
SEL70300Gのたった1つの欠点
とかなり気に入ったレンズなのですが、タイトルにも書いた通り、個人的に1つだけ気になる点があって、
それはSEL70300Gの鏡筒がザラザラしている上に静電気が帯電しやすいようで、ホコリがくっつきやすい点です。
写真のこの糸くずも私がわざわざつけたんじゃなくて、見たらこんな大きいのがついてただけ。ブロアーで吹いてもなかなか取れないし、飛んで行ったと思ったらまた別な場所についたりも。
レンズ自体には防汚コートとか施しているレンズもあるのに、鏡筒にホコリがつきにくくするコーティングを施しているレンズって存在するのかな?
シグマの17-70mmって安いレンズはツルツルしていて、つき難い感じで実際ゴミを飛ばしやすい材質ですけど、それがわざわざそういうコーティングなのかは不明。
私が神経質なだけかも知れませんし、実際は気にするほど鏡筒についたチリやホコリはレンズ内に入り込まないのかも知れませんが、個人的にはどうしても気になっちゃうんですよねー。メーカー関係なく何か対策して欲しいな。
個人的にこのレンズで気になったのはこの点だけです。
値段と開放F値が変化する点
あ、個人的には仕方がないと思うのですが、一般論で気になる点をもう少し挙げておくと、
- 実売13万円くらいの値段
- 開放F値が変化する
- 三脚座が付属しない
- テレコン付けられない
これらも挙げておいた方が良いのかな?
特に値段はCanonだとこの間発売されたばかりで数値的にSEL70300Gと全く同じでフルサイズにも対応している「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」が5万円切ってるレンズが評判も上々のようだから尚更高く感じてしまう人もいるかも知れない。
最短撮影距離が30cmも違ったりするわけですが、何と言っても向こうは半値以下ですし。
あと開放F値が固定じゃないのも嫌いな人は嫌いますよね。
価格帯がほぼ同じでF4固定で焦点距離が100mm短いSEL70200Gとどちらが良いかは私も購入前にかなり悩みました。
しかもSEL70200Gはインナーズームだからズームしても鏡筒が伸びません。だからズームした際の鏡筒にホコリがつくのもSEL70200Gなら問題なし。
三脚座が付属しないのも嫌う人は嫌いそう。これもSEL70200Gの方には付属するんですよねー。
ちなみにEマウント用で100-400mmのGMレンズが今年出るとの噂もあるようです。
このレンズにはテレコンが付けられるみたい。
光学ズームと全画素超解像ズーム
この素晴らしい機能の紹介をすっかり忘れていました^^;
ソニーのカメラには「光学ズーム」と「全画素超解像ズーム」と言うカメラ本体側に備わっているズーム機能があります。
解像感を保ったまま約2倍までズームできるのが全画素超解像ズームで、殆ど画質の劣化なしでズームが可能。
これを使えばこのレンズだと300mmの約2倍までズーム出来るので、約600mm(APS-Cだと900mm)までいける計算に。
画質が劣化するが、全画素超解像ズームから更に約2倍ズームできるのがデジタルズームで、この機能を使えばこのレンズだと300mmの約4倍までズーム出来るので、約1200mm(APS-Cだと1800mm)までいける計算に。
注意点は両方のズーム機能共に
- JPEGでしか保存できない
- 画面全体にAF枠が表示される1点AFしか使えない。
この2点。
ただこのズーム機能はカスタムボタンにも割り当てられて1発で呼び出せる凄い便利な機能なので、このレンズを問わず(単焦点でも使える)一度お試しあれ。
動画撮影時にも使えます。
SEL100400GMが発売決定
最高峰のEマウントレンズGMレンズシリーズに「SEL100400GM」という望遠レンズが加わることが正式決定しました。
値段が違いすぎるので検討対象になるかは人それぞれでしょうが、α7R2のような高画素機ならカメラの性能を100%発揮出来るようにGMレンズの方がベターなのかも。
ちなみに私は単焦点のSEL100F28GMを使ってみていますが、GMレンズの性能は半端ないです。
コメント
私もこの組み合わせを購入しようと思うのですが、パナソニックよりAFが遅いと書いてあったページもありました。実際のAF速度や精度はどうなんでしょう。顔認識はすばやく正確に目にピントが合いますか?
私はパナソニックはFZ1000しか持っていないため、
あくまでもFZ1000との比較での話になりますけど、
かなりAFが速いFZ1000と比較してもこのレンズとα6500との組み合わせなら
同等程度の速度で、精度はAFエリアの差もありますが完全に上だと思います。
顔認識や瞳AFに関しては私はたまに来る姪を撮影するくらいしか人間を撮らないので
良く分からないんです。お役に立てず申し訳ありません。
一応このレンズでその姪(目は大きく、オデコは出してます)を
晴れた日の海で撮影した際はほぼ外れることなく何度撮影してもピントは合いました。
どうもありがとうございます。
参考になりました。
ご丁寧に有難うございます。
多少なりとも参考になれたのであれば幸いです。
「イメージサークルが広いので、カメラ内部の内面反射が大きい事に寄るコントラスト低下だとか、標準レンズより短いレンズでの解像度不足が起こる」
というのは恐らくイメージセンサーに当たらない(イメージセンサー以外のカメラ内部に当たる)光が多くなって、イメージセンサーの周りでその光が乱反射してしまうという可能性の事かと。
APS-C専用レンズでは余分な光フルサイズ用より少なく、APS-C機ではそれを基準に反射防止塗装などを行うため、フルサイズ用レンズを使った場合、想定外の位置へ光が届いてしまい、反射防止の塗装の効果が十分に発揮されないという懸念からの主張と思われます。
ただ、少なくともEマウントはフルサイズでの利用も想定されているため、そういった影響もメーカー側で対策が取られていると思います、
ご丁寧にご説明頂き有難うございます。
2018年現在はソニーのEマウントを完全にメインで使っていて、
α7RIIIや継続してα6500も使い続けて、様々なレンズも所有しているのですが、
「APS-Cセンサーのカメラにフルサイズ対応のレンズをつけての画質の低下」
って言うのは確かに特に関係ないのかなって感想です。
もっともAPS-C用のレンズはお手頃で軽いのが多いので、
フルサイズ用、APS-C用半々で所有している形です。