4月26日に発売されたばかりのソニーのミラーレスカメラα用のワイヤレスリモートコマンダー「RMT-P1BT」を購入。
当初5月発売予定だったこの商品ですが、発売日が前倒しになったようで4/26日に届いていました。
実は私はα用のワイヤレスリモコンを既に2台所有しています。
名前が紛らわしいのですが「RMT-DSLR2」と、もう一つはAmazonで購入した社外品の中国NEEWERの格安リモコンで、今回のリモコンとこれらとの違いは「Bluetooth」か「赤外線」かの違いで、ソニー曰く、今回のBluetoothリモコンの方が
- 太陽光下や障害物のある環境で利用可能
- 反応時間が約半分に短縮した
と言うメリットがあるそうなので、またまた購入しちゃっています。
以前レビューしているのですが、実際問題として赤外線リモコンって、室内だと距離が離れていても全く問題なく動作するものの、何故か渓谷とかに行って滝とか撮影していると電波が飛びにくくなるのか、カメラの側でしか動作しない場合もあったりしてイライラさせられることがありました。
そこら辺の改善具合等も含めて、今回のBluetoothカメラリモコンがどうのように動作するのか、赤外線リモコンとの比較も含めてレビューしてみたいと思います。
RMT-P1BTの概要
内容物と仕様
- 箱
- 本体
- 説明書・保証書
- 電池
ちゃんと電池まで含まれますので、事前に何も用意していなくても購入後即使えます。
サイズは
- 外形⼨法:(幅/⾼さ/奥⾏き:幅33mm × 高さ116.5mm × 奥行き15.1mm
- 質量:約35g(電池含まず)
こんな感じで、手のひらにすっぽり収まるサイズなので、ポケットに入れての持ち運びに便利。
比較のiPhoneは6sで、コンデジは初代のRX100です。
って言うか、こうやって改めて見るとRX100って小さいですよねー。
素材はプラスチック製(一部金属)なので非常に軽いのも特徴です。
キーホルダーやカラビナを装着できる使用ようになっているので、カメラバッグに装着するのも良いのかも。
RMT-P1BTを使用するための設定作業
RMT-P1BTはワイヤレスのBluetoothリモコンなので、始めて使う際には他のBluetooth機器同様にペアリング作業やカメラ側の設定を行なう必要性があります。
- リモコンに付属の電池を入れる
- カメラの設定メニューから「Bluetooth機能」を入に設定し、その下の「ペアリング」を押す
- RMT-P1BTのレリーズボタンとプラスボタンを7秒間同時押しでペアリング完了
- カメラの設定メニューの「Bluetoothリモコン」を入に設定する
これで即RMT-P1BTが使えるようになります。
一度ペアリングさえしておけば、カメラの「Bluetooth機能」を「切」に設定したとしても、再度ペアリング作業の必要性はなく「Bluetooth機能」をまた「入」にするだけで即設定完了してリモコンが使えるようになりました。
RMT-P1BTの使用方法
詳細はソニーの公式サイトに取り扱い説明書がPDF形式で用意されているので、こちらを参照すると良いと思います。
って言うか、最低限の説明事項だけ書かれたマニュアル(しかも多言語の説明が同時に書かれたペラの紙)しか付属せず「詳細はWebで」ってのは時代の流れでメーカー問わず毎度の事とは言え、何だかなぁーとは。
特にカメラに関してはお年寄りのユーザー層も少なくないわけで、ちゃんとした用紙を使ったマニュアルくらいは同梱したら良いじゃんと私は思いますけどね。
で、各ボタンの意味合いはこんな感じ。
無印の真ん中の大きなボタンが「レリーズ・RECボタン」で、カメラのシャッターと同様に半押しが再現されているため、写真撮影時は軽くボタンを押している間はシャッター半押し状態になります。
また、このボタンは動画撮影時は動画開始ボタンになります。
「AF-ONボタン」と「C1ボタン」の意味合いはカメラのそれぞれのボタンと同様で、AF-ONボタンは親指AFなんかで使う押し続けている限りAFを合わせ続けるボタンで、C1はカメラに割り当てているC1のカスタム機能が使えるボタン。
当然それぞれこのリモコンを使って遠隔操作可能となりますので、C1ボタンはリモコン撮影で離れて使って便利な機能に割り当て直すと良さげ。
ぶっちゃけ何を割り当てれば良いのかは個人的にはまだ分かっていませんけど。
って言うか、リモコンを使いたい時の方が少ないわけで、わざわざリモコン使用時に合わせてC1ボタンに機能を割り当てる必要があるのか自体が疑問ですが。
サイドには写真撮影時と動画撮影時を切り替える「MOVIE・STILLスイッチ」と、MF時にフォーカスを操作できたり、電動ズーム使用時にズームを操作できる「ZOOM・FOCUSスイッチ」があります。
分かりにくいのがプラスとマイナスの各ボタンですが、MFに設定している時にピント調整したり、電動ズームレンズ使用時にズームさせたりする際に使用するボタンです。
更に反対側には「LOCKボタン」があるので、誤作動させたくない時はLOCKをかけることも可能です。
α6500で使えるのか?
動物瞳AFのファームウェアも除け者にされ本当に可哀想な扱いを受けているα6500。
今回のこのリモコンもα6500には未対応でまたまた除け者扱い。
一応非対応とされているものの、α6500もBluetooth機能を備えていますので、このリモコンが接続できるか否か試してみることにしてみましたが、
そもそもカメラメニューにこの「Bluetoothリモコン」の項目がないため、やっぱり使うことは出来ませんでした。
α7R IIIにも恐らくなかったんですよねーこの項目。
恐らく先日のバージョンアップで追加された項目なんだと思いますけど。
α6400はこのリモコンが使えるようになるそうですが、せめてリモコンくらいα6500でも使わせて欲しいと思いますけどね。
赤外線リモコンRMT-DSLR2との比較
実際に赤外線リモコンのRMT-DSLR2が上手く動作しなかった(カメラに近づけないと動作しなかった)渓谷に行って試してみましたが、やっぱりBluetoothリモコンの方は離れても問題なく動作しました。
ただし、この日は何故か赤外線リモコンの方も調子が良く全く問題なく動作してしまいました(してしまったって表現おかしいですけど)。
赤外線リモコンの電波の飛び具合は気象条件とかにも左右されるのかなぁ?本当にカメラの側まで行かないと動作しないケースがあるんですけどね。
また、GW中だからか結構人がいて、近くで写真撮影している人もいたため、万一リモコン操作で邪魔してしまったら大変ですから、今回はあまりチェックすることは出来ませんでしたので、この話は更に様々な場所で使い続けてみて後日追記しておきます。
ちなみに屋内の場合だと、2階で三脚設置したα7RIIIを階段を降りた1階でリモコン撮影してみたところ、RMT-P1BTのみ見事に撮影することが可能でした。
って言うか、うちのBluetoothワイヤレスイヤホンなんかも2階のスマホから流している音楽とか全く問題なく1階で聴くことが出来ちゃいますから、ワイヤレスリモコンもやはりかなり電波は飛ぶんだと思います。
RMT-P1BTの不満点
C1ボタンの使い勝手の悪さ
カメラのC1ボタン(カスタム1ボタン)に割り当てた機能をリモコンでも呼び出せるものの、選択項目を選んで決定する機能は設定することが出来ませんでした。
例えば私自身はカメラのC1ボタンに「測光モード」を普段割り当てているのですが、C1ボタンを押すと「測光モード」が表示されるものの、どのボタンを押しても他の測光モードへ変更出来ませんので、再度C1ボタンを押してメニューを消すしかありませんでした。
せっかくマイナスとプラスの両ボタンがあるのですから、このボタンを使用する事で選択項目の移動が出来れば良かったのにと。
また、このリモコンのC1ボタンはカメラのC1ボタンとリンクしているだけなので、カメラのC1ボタンを呼び出せるだけの機能になります。
リモコン使用時のみ割り当てて呼び出したい機能がある場合は、その都度設定を変更する必要があるため非常に面倒臭いです。
パワーセーブ(スリープ)が効かなくなる
「Bluetoothリモコン」を入に設定してしまうとカメラがパワーセーブ開始時間を設定しているにも関わらずスリープ状態になりません。
カメラのWebマニュアルの方には記載がありますが、リモコンのマニュアルには記載されていなかった気が・・・。
これは「赤外線リモコン」使用時も同様にパワーセーブ機能が働かなくなりますので、恐らくリモコン撮影中に不用意にスリープしてしまってデータ破損してしまったり、最悪カメラが故障してしまうことを未然に防ぐ目的があるからだと思われます。
自分自身で気を付ければ良いだけの話ではありますが、個人的にはスリープ機能は便利だから設定しておきたいし、かと言っていちいちリモコンを使わない時にメニューから設置を切にするのも面倒くさい。
両立できない機能だから仕方がないとはいえ、赤外線リモコン利用の時からちょっと不満に感じる点ではあります。
位置情報連動機能が使えない
上のソニーのヘルプガイドの注意書きを読むと書かれているのですが、このBluetoothリモコンと「位置情報連動機能」は同時使用が出来ないので「位置情報連動機能」を使用する場合は「Bluetoothリモコン」設定を「切」にする必要があるとのこと。
この件はRMT-P1BTのヘルプガイドには記載が無いため、個々で使用しているカメラのヘルプガイドを見ないと気付かない不親切さ。
って言うか、スリープの話もやっぱりリモコンのマニュアルには記載ありませんでした。
「詳細はWebで」ってのは時代の流れだから分からなくもないとは書きましたが、スリープの件も含めて、せめて注意事項に関してくらいはペラの紙でもいいからリモコンに同梱しておくべきじゃね?
RMT-DSLR2との同時使用不可
上のマニュアルに書かれている通りで、Bluetoothリモコンが入になっているときは、赤外線リモコンは使用できないため、設定し直さない限りどちらか片方しか使えない形。
もっともRMT-P1BTを買ってしまえばRMT-DSLR2は使わなくなる人も多いのかも知れませんが、
RMT-DSLR2の方が遥かに多機能ですので、併用したいと考える方もいるかも知れないから一応。
使えるカメラが限られる
現時点で
- α7R III
- α7 III
の2機種のみ、
- α9
- α6400
夏以降にこの2機種が対応して合計4機種で使用可能になるものの、α7R III以前のカメラには一切対応していませんし、恐らく今後も予定なさげ。
RMT-DSLR2よりも機能が少ない
上の写真の通り、リモコン操作で離れた位置からでもメニュー操作や写真の確認や削除等々まで出来てしまうRMT-DSLR2と比較すると、使える機能が非常に限られています。
ただし、これに関しては不満に思うか否かは人それぞれで評価が分かれる点だとは思います。
多機能だからと言って使わない機能まで含まれるとむしろ使いづらく感じる事もあるでしょうし、機能が限られた方が使いやすいと感じる方も少なくないでしょうから。
RMT-P1BTは買いなのか?
あえて不満点のみをフィーチャーして記載しておきましたが、それ以外は概ね満足で、値段はちょっと高いけど買って良かったかなとは。
一度ペアリングさえしてしまえば特に設定することもなく、カメラの電源をオンにしただけで即リモコンが使えるし、レスポンスの良さや赤外線リモコン使用時に感じた屋外での使いづらさも解消されているようなので、気持ち良く使うことが出来ました。
ただし、RMT-P1BTを実際に使ってみると、このRMT-DSLR2も良いよなと感じてしまったのもまた事実。
非常に多機能ですし、価格はRMT-P1BTの1/3程度ですし、様々なモデルで使えますし、もちろんソニー純正の安心感もあるし。
おまけに書いておくと、シンプルイズベストでこれでも良いよなとも。
これなら600円くらいで買えてしまいますから。
私が現時点で所有している、
α7S
α6500
α7R III
この世代が異なる3機種で全く問題なく使えることを確認済みです。
特に遮蔽物が少ない屋内でブツ撮り用にリモコンが欲しいと言うのであれば、Bluetoothリモコンまでは必要ないのかも。
逆に屋外の風景撮影なんかでガンガン使いたいのであれば、動作が安定したRMT-P1BTを買うのがベストなのかも知れません。
RMT-P1BT一択で
後日今回購入したBluetoothリモコンと赤外線リモコンの両方を持って赤外線リモコンが不調だった渓谷でガッツリとテストしてきてみましたが、この日はやっぱり赤外線のRMT-DSLR2は全く電波が飛ばず、カメラの前にある受光部のところまで持っていかないとシャッターが切れない始末。
一方のRMT-P1BTは多少離れようとも全くストレスなく動作しました。
私は技術的な話は知識が全く無いので何故このような症状が起こるのか分かりませんし、もしかすると私のRMT-DSLR2が調子悪いだけなのかも知れません(屋内撮影時は全く問題なし)が、屋外撮影をメインでリモコンを利用したいと考えるのであれば、今回発売されたBluetoothリモコンのRMT-P1BT一択で検討された方が間違いないと断言します。
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