宮本製作所という日本の金属加工工場が作る国産マウントアダプター。Rayqual(レイクォール)CY-SaEα。
去年の6月末にα7Sを購入したものの、レンズは55mlF1.8の1本だけしかなく、使用頻度が激減していた(私は色々購入しても大体こうなるのですが)ので、モチベーションを上げる何かないかと考えたら、親父の防湿庫に古いカメラがあったのを思い出しまして…。
YASHICAのFR2とオールドレンズ55ml F2
カメラはこんなフィルムカメラで「YASHICA FR2」と書かれています。
20年前に亡くなった父のカメラで、実は20年間壊れた防湿庫の中に入れっぱなしで2、3回くらいしか出していなかった。
綺麗に拭いてみたんだけど、カメラにはカビなのか汚れなのか、落ちない部分が結構ありましたが、レンズはプロテクターまでついていて曇りやカビも無く凄く良い状態のままでした。
「α7系は最強のオールドレンズ母艦」と言うのを聞いた事があったので、もしかしてこのレンズ使えんじゃね?となり色々と調べてみたところ、今回購入したレイクォールと言う日本製のマウントアダプターを使えばこのYASHICAのレンズがα7Sで使える事が判明。
Rayqual(レイクォール)のマウントアダプター「CY-SaEα」でYASHICAレンズが使える
古いレンズに全く興味が無かったから今の今まで全然知らなかったのですが、このレイクォールのマウントアダプターには様々な種類があり、対応するマウントアダプターを購入してやれば殆どのメーカーのオールドレンズがα7系で使えてしまうようです。
私が使いたかったのはこのYASHICAのレンズだったので、買ったのはContax/Yashicaマウントレンズ CY-SaEってやつ。
ヨドバシが袋&箱剥き出しで送ってきた
届いたのがこれなんですが、ヨドバシから買ったら袋にマウントアダプター本体が入った箱をポンと入れてそのまま送ってきやがった。
マウントアダプターが入っている箱自体はシッカリした丈夫な箱だけど、袋で送ってくるなら、せめて箱をプチプチで包むとか方法あるだろうに。
で、親父のレンズにはレンズキャップが付いてなかったので、後日またヨドバシからサイズが合うニコン純正の340円のレンズキャップのみを注文したところ、今度はご丁寧に全面プチプチ入りの封筒で送ってきました。
ちなみに再度ヨドバシを利用したのは送料が無料で、マウントアダプター買った際のポイントを使えて無料で買えたから。
アマゾンだとニコンのレンズキャップは買い合わせじゃないと送料無料になりませんでした。
レイクォールのマウントアダプターの良い点
質感が良い
さすが日本製だけあって金属製ボディの質感がとても良いです。
重量感もそれなりにあって、本当に素晴らしい作り。
品質が素晴らしい
CY-SαEと親父のYASHICAの55mmF2のレンズを取り付けるとこんな感じ。レンズ側、ボディ側共にはめる時の「カチッ」って鳴る感じとか、寸分狂わずの精度で作られていて、本当に純正と何ら変わらない感覚で使えるのが素晴らしいです。
マウントアダプターは値段も品質もピンキリのようで様々なメーカーから様々な商品が販売されていますが、このレイクォールのマウントアダプターに関しては全く文句が出ないレベルの品質だと思いました。
16,000円と安い
マウントアダプターとしては高めの金額設定のようですが、この品質でこの価格ならむしろ安いのではないかと感じました。
一度買ってしまえば末長く付き合えるわけだし、安物だと大切なレンズやボディに何らかの不具合とか起こす危険性も無きにしも非ずでしょうから、マウントアダプターを買うなら値段をケチってはいけない気が個人的にはします。
レイクォールのマウントアダプターの悪い点
サイズが大きい
写真のマウントアダプターにはリアキャップが付いているので、外せばその分小さくはなるものの、CY-SαEはちょっと大きめですね。
このYASHICAのレンズは小さい単焦点レンズですけど、CY-SαEつけると殆ど倍近い長さになってしまうのが残念。
フロントキャップが付いていない
写真通りリアキャップ(ボディに取り付ける側)は付属するものの、フロントキャップ(レンズを取り付ける側)は付いていませんでした。
レンズを付けちゃえば必要なくなるので、要らないと言えば要らないですけども。
16,000円と高い
数千円台のも色々あるので、それと比べるとやはり高いかなとは。
私自身の考え方は「安い」と上記した通りですが、一般的に考えると高いと感じる人もいるでしょうから、一応悪い点としても挙げておきました。
レイクォールのマウントアダプターを実際に使ってみた
で、使ってみた感想ですが、当然とは言え普通に撮影できました。
ただし当然ながらAFは使えず、MFのみになります。
とは言え、20年以上前のレンズが最新のデジカメで使えてしまう不思議な感覚は何とも言えませんね。
しかも私の場合は亡き父のレンズだから尚更感傷的になってしまいました。
α7系での使い方
- CY-SαEをカメラのボディに取り付ける
- CY-SαEにレンズを取り付ける
- レンズ側のフォーカスリングを操作してマニュアルでピント合わせをして撮影する
たったこれだけ。
あとはカメラ側の「ピーキング機能」や「拡大表示機能」を使って簡単に撮影出来ます。
α7はEVFですから、ピーキングや拡大表示は液晶でもファインダーでも表示出来ちゃうのが凄いし、本当にマニュアル撮影が楽ですね。
ちなみに通常はまずはマウントアダプターをボディ側に取り付けてからレンズをつけるそうです。
私はこの状態で写真撮影したから、この状態でα7Sに取り付けました。
カメラ側の必要な設定
オールドレンズ使用時はカメラ側の設定を見直す必要があって、α7系のボディだと、
- メニューからセットアップ「レンズ無しレリーズの設定」を許可
- MFアシストを入
- ピント拡大時間を無制限に
- ピントが合う部分を色付けしてくれるピーキング機能をオン
- マニュアルフォーカスのみになるため、メニューにある「ピント拡大」をC1とかに割り当てておく(デフォだとC1)
「レンズ無しレリーズの設定」が許可になっていなければエラーメッセージが出て撮影できないようになっているから、許可になっているか否かは誰でも分かるようになっています。
MFアシスト機能は関係ないのかも。実際オンにしても何故かフォーカスリングを回しても拡大表示にならなかった。(後日確認したら対応レンズのみだけ機能が働くとの事。オールドレンズ類はオンにしても全て意味がないみたいでした)
ピント拡大時間は必ず無制限にしておく。
ピーキング機能はマニュアル撮影する場合本当に便利な機能なので必ずオンに。
ピント拡大の割り当てに関しては特に割り当てなくてもコントロールリング中央のボタンを押すだけで拡大表示になるから必要ないかも。
20年以上前のYASHICAのレンズで撮影した写真
ソニー純正SEL55F18Zとの比較写真
JPEG撮って出しでノーレタッチ。ピントは中央一点。部屋暗かったから露出補正いじるかと思いましたが、とりあえず全てデフォルト状態で撮影してみました。
以下の写真はFlickrにアップしているので、クリックで写真拡大します。
オールドレンズはクセ玉が多く、個性的な写りをするとか言われるみたいなんだけど、このレンズはそんな事ないのかも(とこの時はそう感じました)
全く同じ条件でソニーEマウント純正のSEL55F18Zで写した写真。YASHICAのレンズに合わせてF2で撮影。
こちらもJPEG撮って出しなのですが、写りがあまりにも酷似し過ぎていて驚きました。
もはやどっちがどっちか分からないレベル。なんなんですかねーこれ。
絞り羽根壊れてた
で、ここから更に比較するのにF値を変えて…と思ったら、なんとこのYASHICAのレンズいくら絞っても写りが変わらない!おかしいなと思って絞り羽根見てみたら、絞り開放のまま絞り羽根が動かない。
絞り羽根が壊れて動かなくなっている開放F2限定レンズでした。
レンズ分解して油差したりすれば動くようになるとかで、結構ド素人でも出来ちゃうみたいですけど、自信ないので止めました。
そりゃ20年も弄らず放置してたらこうなってもおかしくないですね。
レンズの状態が恐ろしく良かったからまさか絞りが動かないとは夢にも思わなかった。親父申し訳ない。
屋外で使うと別物の写り
ってなわけで、家の中では100枚くらい撮ってみましたが、Eマウントレンズの中でも素晴らしい描写力で定評があるSEL55F18Zとそっくりな描写でとても良いレンズなのは分かりましたので、F2固定だけど屋外でもと思い先日屋外でも写してきたんですけど、室内だと素直な描写で解像感にも優れた良いレンズだなぁと感じたのに、屋外だとまた一変しちゃったのに驚きました。
こっちの話はまた別の記事にでも書きたいなと思います。
ビデオにまとめてみました
今回の話は動画にしてYouTubeにアップしてみました。ご興味ある方はどうぞ。FZ1000で撮ったんだけど、AFが一回「ブワっ」ってなった(^_^;)
ちなみに動画内で実際に撮影した時の写真はこれ。
これも残念ながら開放F2でしか撮れないので、ちょっと迫力増すようにRAWで現像しています。
室内だと写り良いと思うんだけど、なんで外だとイマイチなんだろう…。
ちなみに私が購入したカールツァイスやヤシカが使えるマウントアダプター以外にもアマゾンにはライカやニコン、ペンタックスのオールドレンズが使えるレイクォールのマウントアダプターが販売されていました。
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