タムロンのソニーEマウント用望遠ズームレンズ「70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD(Model A047)」です。
2か月前に購入してガッツリ使ってみているので、素人ならではの目線でレンズレビューを。
- 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの外観
- 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの性能・特徴
- 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの付属品
- 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの良い点
- 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDのイマイチな点
- 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの作例
- 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD × α6500の作例
- ファーストチョイスになるかはユーザー次第
- SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OSとの比較
- ニコンZマウント用も出た
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの外観
- 長さ148mm
- 最大径φ77mm
- 重さ545g
「フルサイズ用としては世界最小・最軽量望遠ズームレンズ」とタムロンがうたうように、APS-C用の望遠ズームかと思ってしまうくらいこのレンズとにかく軽いです。
500mmペットボトルと比較してもこのサイズ。そして何しろ軽い。
長さ的には148mmなので、同じソニーEマウント用レンズの人気レンズの「SEL24105G」や「24-70mm F2.8 DG OS HSM」と比較すると、こんな感じでそれほど短くはないものの、重量は545gしかないため、「SEL24105G」の663g、ズシッと重い「24-70mm F2.8 DG OS HSM」の1,020gと比較しても非常に軽く感じます。
テレ端までズームするとさすがにレンズ鏡筒はかなり伸びますが、レンズ自体が軽量でフロントヘビーになりにくく、愛用しているα7RⅢに装着した際のボディとレンズのバランスが非常に良好でハンドリングしやすく感じました。
これは更にコンパクトなAPS-Cのボディのα6500に装着した場合も同様に感じます。
レンズフードは望遠レンズということもあって結構長め(大きめ)で、ズームする際に回す方向は時計回りで純正のSEL24105Gと一緒(シグマの24-70mm F2.8 DG OS HSMは逆で反時計回り)。
質感に関してはこの軽さを実現するためか、プラスチッキーでお世辞にも高級感はありません。
公式サイトに素材の記載がないため個人的な触った印象にはなりますが、レンズとゴムを除いて全部樹脂で作られているっぽい印象。
しかも軽量化するためにマウント部分には「特殊処理を施した高強度Al-Mg 系合金3」という金属を使用しているとのこと。
とはいえ、マウント部分の金属は特に他のレンズの素材と変わるような感じはありませんし、ちゃんと金属が使われているわけだから気にする人はいないかとは。
個人的にプラマウントは論外なので。
なお、レンズに便利なボタンやスイッチ類は一切ありません。
後述しますが、やはり望遠ズームレンズだけにロックスイッチは付けて欲しかった。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの性能・特徴
- 明るさ:F4.5-6.3
- レンズ構成:10群15枚
- 最短撮影距離:0.8m (WIDE) / 1.5m (TELE)
- 最大撮影倍率:1:9.4 (WIDE) / 1:5.1 (TELE)
- フィルター径:φ67mm
- 最大径:φ77mm
- 長さ:148mm
- 質量:545g
- 絞り羽根:7枚 (円形絞り)
特筆すべきはやはり軽さと、最短撮影距離がテレ端で1.5mという寄れなさでしょうか。
絞り羽根は7枚ですけど、玉ボケ愛好家の方でもない限りは気になる方はいないでしょう。
焦点距離ごとの開放絞り値の推移
このレンズは「70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD」の名前の通り、レンズをズームすると開放F値がF4.5からF6.3まで変化しますので、どのくらいの距離ズームすると開放F値が変化するのか表にしてみました。
焦点距離 | 開放F値 |
---|---|
70-110mm | F4.5 |
110mmから150mm | F5.0 |
150mmから240mm | F5.6 |
240mm以上 | F6.3 |
私が実際に所有しているα7RⅢで
こんな感じでズームリングを回しつつ、開放F値が切り替わったところで実際に撮影して撮影結果に表示される距離データをもとに作った表なので、多少の誤差があった場合はご勘弁を。
表の通り110mmまでなら開放F値は4.5から切り替わらずに撮影可能って意味です。
同様に110mmから150mmまでなら開放F値は5、150mmから240mmまでだったら開放F値は5.6、240mm以降は開放F値がF6.3になります。
この通り、ズームすると直ぐに開放F値が上がるわけではないから結構使いやすいのかなとは。
っていうか、これ毎度思うんだけど、F値可変のレンズなのに何でどこのメーカーもこのようなデータを公式ページに記載しないんですかね?
記載しているメーカーありましたっけ?ちょっと確認した限りだとどこのメーカーも記載ないんですが。
結構大事なデータだと思うんですけど・・・。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの付属品
- レンズ本体
- レンズフード
- 説明書
- 保証書
いたってシンプルながら、
毎度ついてくるタムロンの「登録すれば修理費10%割引」の登録特典は素晴らしい試みだと思うので、他のメーカーも真似して欲しいところ。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの良い点
安価!
やはり一番はこれですね。
純正の「SEL70300G」だと倍の値段するので、この金額は非常に魅力的に感じました。
レンズは資産価値的な意味合いもあり、人気が高いレンズであれば、手放す際に買値に近い金額が回収できたりするんですが、手数料が安くて高額商品を出品しやすかった「ラクマ」の手数料が改悪されてなかなか売り難くなってしまっているから尚更。
545gと軽量コンパクト
300mmクラスのフルサイズミラーレス用望遠ズームレンズとしては「世界最小・最軽量」といううたい文句通り、非常に軽量コンパクトなので、これも購入理由としてはやはり大きかったです。
私はこのシグマの24-70mmも所有しているから、この2本だけ持ち歩けば24mmから300mmまでカバー出来てしまうことに。
まぁ24-70mmを今度出たシグマの28-70mmに変更すれば更に軽量コンパクトなシステムを組めるんですけども。
いずれにしても、APS-C用の間違いでは?と感じてしまうほど本当に軽い点がお気に入りです。
良好の描写性能
描写性能(描写力)は期待していた通りでかなり良い感じ。
私はソニー用のタムロンのレンズは
この28-75mm(既に売却済み)と、レビューはまだしていないのですが、70-180mmも所有しているので、タムロンのEマウント用レンズの描写性能に対しては不安はありませんでしたが、この2本が非常に良く写るので、逆に価格が安い70-300mmで満足できるのかの不安はありました。
でも、実際に使用してみた限りでは写りに関しては期待以上とはいかないまでも、期待値を下回ることはなく十分満足のいくレベルだと感じています。
描写性能に関しては下の「作例」の項目で更に深堀りします。
スチル、動画撮影共に良好なAF速度と精度
私が所有しているソニーのカメラは
- α7RⅢ
- α6500
- α7S(初代)
と3年以上前の古めのカメラばかりで、ソニーの現行機種と比較するとAF性能がかなり劣ってしまうため、その点はご理解頂きたいのですが、それでもスチル撮影時、動画撮影時共に速度も精度も不満が出ることなく気持ち良く使えています。
ただし、野鳥のような小さな被写体に対してのAF-Cでの被写体検出の精度に関してはスチル撮影時、動画撮影時共にちょっとイマイチに感じました。
これに関しては後述します。
静かなAF駆動音
AFの駆動音は殆ど聞こえないくらい静かなので、動画撮影中でもフォーカス音が入りません。
ただし、後述している通り、ズームリングを回した際の鏡筒の擦れ音は結構うるさめなのは残念なところ。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDのイマイチな点
自重で微妙に下がってしまうレンズ鏡筒
個体差はあると思いますけど、私の個体に関してはストラップにカメラをぶら下げて持ち歩いていると、ズームリングをいじっていないにも関わらず、歩いている際の振動でレンズ鏡筒が微妙に伸びてしまう(飛び出してしまう)のが気持ちが悪くて仕方がありません。
ズームする際のトルク感は若干軽めで、テレ端側で使うことが多い望遠ズームレンズで、頻繁に伸縮させる必要性を考慮してか、気持ちの良い絶妙なトルク感に設計されてことも関係しているのかも知れません。
鏡筒の伸び安さ(ズーム時のトルク感の軽さ)は、レンズフードを逆さに被せた状態で持ち上げると、545gと軽いレンズにも関わらずこんな感じでテレ端まで自重で伸びて(落ちて)しまうくらい。
持ち歩きでズルーっとだらしなく伸びてしまうわけではなく、仮にタムロンに見せても「製品の規定範囲内」ってことになる程度ですから我慢するしかないのかなと思いますが、個人的にはこれは気になってしまいます。
これを解決する最善で簡単な方法として、
物理のロックスイッチがあるわけで、300mmまでの望遠レンズにも関わらず何故これをつけてくれなかったのかな?と疑問にも。
価格を少しでも安くというのは理解できるものの、キヤノンの同価格帯の「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」なんか
- 液晶パネル
- AF/MF切り替えスイッチ
- 手ブレ補正スイッチ
- ズームロックスイッチ
と至れり尽くせり(無駄に?)なわけで、せめてロックスイッチくらいは付けて欲しかったというのが本音。
私物ではなくレンタル品で、同じタムロンの28-200mmも使ってみているのですが、こっちにはちゃんとロックスイッチあるのね。
しかもこっちはズームリングのトルク感が重めで自重で伸びない程度なのに。
70-300mmには何でつけなかったのか本当に理解に苦しみます。
硬くうるさめのボケ
タムロンのレンズと言えば昔から「ボケ味が美しい」と評判で、このレンズに関しては「ボケ味の美しさもこのレンズの特長」と公式ページに記載されているくらいですが、個人的にはこのレンズのボケ味に関しては正直イマイチに感じました。
もちろんこの価格帯のレンズにあれもこれも求めるのはお門違いだし、ボケが酷いというわけではなく「タムロンの割にはイマイチ」って印象ではありますが。
- 28-75mm F/2.8 Di III RXD
- 70-180mm F/2.8 Di III VXD
- タムキュー(新型)
これらのボケ味が素晴らしいタムロンのレンズを実際に購入して使用していたから尚更気になったのかも知れません。
解像力とボケ味は相反する要素のため、基本的にはどちらか片方を重視するようなレンズ設計になるそうで、ソニーだとこの両方を高次元で両立しているのがソニーだとGマスターシリーズになると言われています。
それでいうと、この70-300mmはどちらかと言うと描写力のほうにパラメータを振ってる形なのかもです。
ボケの描写例に関しては、以下の「作例」の項目で写真を載せています。
イマイチなAF-C時の動体検出速度、精度
望遠ズームレンズということで、かなり様々なケースで野鳥や動体を撮影してみたのですが、特に飛翔している野鳥の場合はバチピン率は2割ほど、ちょこちょこと歩きながら餌をついばんでいるようなケースでも3割程度でしか満足の行く写真が撮影できませんでした。
私自身が動体撮影に不慣れなことやα7RⅢ、α6500共に古めのカメラで現行機よりもAF性能が劣ること、AF性能を検証するためにフォーカスエリア(AFエリア)をあえてワイドやゾーンと言ったカメラ任せに設定して連写してみたことも影響しているのかとは思いますが、以前使っていた純正の「SEL70300G」と比較すると厳しいのかなと感じました。
もっともフレキシブルスポットとか中央1点とか使えば9割バチピンで撮れますから、スチル撮影時の場合はそこまで気にする必要はないと思いますが。
ただ動画が・・・。
これなんか36秒と非常に短い尺ながら、ピントが背景に抜けてしまい、一度も鳥にピントが合いませんでした。
フォーカスエリアはゾーン(中央)で設定しています。
こっちは合いましたが、鳥というより背景に合ってる感じ?
もちろんあえて被写体のコントラストが低めで検出しづらいケースでテストしてみてはいるのですが、やっぱり純正と比較してしまうと、AF性能に関してはどうしても劣る部分なのかなとは。
ちなみに私はこちらも使ってみているのですが、名前の通り「VXD」という更に優れたリニアモーターフォーカス機構を搭載し、タムロン史上最高レベルの高速・高精度AFを可能としたと謳っていますので、やはりAF性能はこちらが上に感じます。
特に開放F2.8でのAFの速度と精度は驚くほど凄いので(もちろん描写力もボケ味も優れます)。
ちなみに「70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD」は、「VXD」ではなく名前の通りステッピングモーターユニット(RXD)を搭載しています。
このRXDはタムロンがEマウント用に最初に発売したベストセラーの「28-75mm F/2.8 Di III RXD」と同じ機構ですね。
AFに関しての話も下記の「作例」の項目で更に深堀りします。
テレ端1.5mと寄れない
ワイド端は0.8mまで寄れるものの、テレ端が1.5mと寄れないので、最大撮影倍率は0.19倍止まりと物足りなさを感じます。
例えば「SEL70300G」だとテレ端でも0.9mまで寄れるため、最大撮影倍率は0.31倍、ほぼ同価格帯のキヤノンの「EF70-300mm」もテレ端で1.2mまで寄れるため、最大撮影倍率は0.25倍です。
望遠レンズだから最短撮影距離や最大撮影倍率はあまり気にしない人も多いのかも知れませんが、個人的にここはもう少し頑張って欲しかったかなとは。
ズーム操作時の鏡筒の擦れ音が大きめ
ズームレンズですからある程度は仕方がないとは分かっているものの、このレンズの伸縮させる際の鏡筒の擦れ音はかなり大きめで、気を付けて慎重にズーム操作しても動画撮影時は音を拾ってしまうレベル。
個体差もあるかも知れませんが、動画撮影も行いたいと考えている方はちょっと頭に入れておいたほうが良いのかも。
APS-Cとの組み合わせで厳しい手ブレ補正
APS-Cのα6000シリーズとの組み合わせだとテレ端で450mmまでいけるため、α6600等での運用を検討されている方も少なくないかも知れませんが、このレンズには手ブレ補正機能はなく、ボディ側の手ブレ補正に頼る形になるので、
特にテレ端でこのような小さな被写体を狙う際にどうしてもブレが酷くなってしまって撮影が厳しく感じました。
もちろんシャッタースピードを速く設定していれば被写体ブレは起こりませんが、それ以前にファインダーや液晶で見ている像の時点で被写体がブレてしまってピント合わせや撮影がしにくいです。
私のカメラは古いα6500でボディ内手ブレ補正が搭載されていますが、最新のα6600も同レベルの手ブレ補正効果しかないと記憶しているので、α6600でも厳しいのかなと。
もともとソニーのカメラのボディ内手ブレ補正効果は強くないというか、むしろ弱いほうですし。
当然、手ブレ補正がないα6400なんかだとファインダーを覗いている段階で気持ち悪くなって無理くらいにブレてしまうんじゃないかと。
ボディがフルサイズだと300mmまでなのと、ボディ自体が大きめでホールディングも良くなることもあり、α7RⅢとの組み合わせだとシッカリ構えていればブレは最小限に抑えられますから、やっぱりフルサイズとの組み合わせがベストかな。
傷つきやすいボディ
いつの間にか樹脂部分にいともたやすく傷がついてしまっていました。
レンズのこの部分はレンズフードのような材質ですから、レンズフードが知らぬ間に傷ついているのと同様にこの部分も傷つきやすいのかも。
色かぶり
右が同じタムロンの150-500mmで、同じ設定でどの程度画質に差が出るか比較撮影をしてみたのですが、画質以前に70-300mmの撮影結果だけマゼンタに「色かぶり」をしてしまっていて驚きました。
もちろん共にレンズ保護フィルターを外して撮影しています。
特定の条件下でたまたま発生したのかも知れませんが、やはり値段の違いはこのようなコーティング部分とかしっかりと反映されているようです。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの作例
「JPEG撮って出し」と記載していない写真に関してはRAWで撮影し、多少色味をいじっています。
大幅に縮小しているため、スマホでの閲覧のほうが実際の印象に近いかもです。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの玉ボケ
玉ボケは焦点距離や絞り値によっても形や大きさが変わってしまうため、あくまでも一例として。
焦点距離等のデータは写真下に入れてあります。
このレンズの絞り羽根の枚数は7枚で円形絞り。
周辺にいくほどレモン型になりますけど、まぁこんなもんでしょう。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDのフレアやゴースト
レンズフードが大きい(深い)こともあり、なかなか思ったようにフレアやゴーストが撮影できませんでした(苦笑)
そのくらいなので、価格帯の割にはゴーストやフレアは良く抑えられているのかなとは。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDのボケの作例
全てJPEG撮って出し。
ボケが硬いとかうるさいとか書いたのがこれ。
あえて二線ボケが発生しやすい背景等を選んで撮影していたり、汚く見える写真を選んで載せてはいますが、どんな印象を持たれますでしょうか?
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD × α7RⅢの作例
百里基地近くの高場池緑地広場ってところで。
あえてフォーカスエリアをワイド(カメラ任せ)にして連写で通り過ぎるまで40枚ほど撮影してみましたが、被写体が大きいこともありフォーカス外したのは2枚だけでした。
望遠ズームレンズの定番の動物園で。
カワウソ凄く動きが速いのでなかなか難しいのですが、結構動きに追従してくれたので撮れ高はまずまずでした。
動物瞳AFはたまに発動していた感じ。
こちらは爬虫類館という温室にいたガラス越しのお猿さんで、ISOは3200まで上がってます。
野鳥がなかなかピントが合わず、結局フォーカスエリアを「拡張フレキシブルスポット」にして撮影しています。
これを使えば9割バチピンで撮れました。まぁ1点で合わせているようなものなので。
ボケ味とかもどうでしょうか?やっぱこの価格帯のレンズだからこんなもんかな。
小さい石を沢山使って作られたオブジェだったので解像感チェック用に撮影してみた写真でJPEG撮って出し。
リサイズしているから分かりにくいかも知れませんが、実際に等倍でチェックすると周辺まで問題なく解像していて良好でした。
ワイド端70mmの周辺は少し減光等見られるものの、JPEGならカメラ内、RAWでもデジタル補正できるから特に問題はありません。
ワイド端70mmからテレ端300mmまでだとどこまで拡大できるかチェックしてみた写真。
300mmだとここまで寄れますが、野鳥撮影で鳥の羽毛まで解像させようとすると全然距離は足らないみたい。
私も実際撮影してみて野鳥撮影で何故200-600mmにテレコンとか付けて撮影するのか良く理解できましたけど。
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD × α6500の作例
焦点距離はフルサイズ換算です。
このくらい大きな鳥とかならテレ端での撮影でも手ブレ補正の性能が気になることはないんですけども。
ゴチャゴチャした場所であえてフォーカスエリアをワイド(カメラ任せ)で向かってくる特急を撮影してみましたが、枝被りで枝にピントを持って行かれたりしたものの、7割くらいはバチピンで撮れました。
フルサイズのレンズをAPS-Cで使うと、真ん中のレンズの美味しい部分だけを使うから写りが良好になるのだとか。
RAWとJPEGの描写の差
RAW+JPEGで撮り比べてみて気付いたのですが、JPEGのほうはかなり眠い描写になってしまうようでした。
写真はRAWとJPEGとで同じ被写体を撮影した写真の等倍切り出しなのですが、JPEGの方は完全にデフォルトの設定で、RAWはLightroomでシャープネスの値を60、テクスチャの値を30それぞれプラスして解像感を上げています。
RAWのほうは本来近づくと見える建物の壁のザラザラの質感まで復元できているのが分かると思います。
解像度の高いレンズの場合はこのような顕著な差は出ないのかも知れませんが、このレベルの解像力(と言っては失礼だけど)のレンズの場合は、JPEGだとこんな写りになってしまうのかも。
いずれにしてもJPEGでしか撮影しない人は、あらかじめシャープネスの値を上げて撮影したほうが良好な結果を得られるのではないかと思いました。
ファーストチョイスになるかはユーザー次第
ちょっと気になる点が多くなりましたけど、個人的には十分満足して買って良かったと考えています。
とはいえ、フルサイズ用のソニーEマウント用の望遠ズームレンズは
- シグマ:100-400mm F5-6.3 DG DN OS
- タムロン:150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD
- SEL70300G
- SEL100400GM
- SEL200600G
こんな感じで純正からサードパーティ製まで種類も豊富に用意されているため、ファーストチョイスとして「70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD」を選択するか、他を選ぶかは出せる金額や、撮影したい被写体次第なのかなと。
「望遠レンズで特に撮影したい被写体は特にないけど、とりあえず持っていれば便利だよな」みたいな人や、望遠ズームレンズ初心者には、価格も安くてコンパクトで置き場所にも困らないこのレンズをオススメしたいと思います。
描写性能もAF性能も必要十分ですから、初心者からハイアマレベルの人達でも十分満足できるはずです。
ただ実際に野鳥なんかを撮影してみると、300mmだと全然足りないのが分かるので、野鳥撮影を真剣にやってみたいなんて方にはやはり不向きなのかも。
そういう方は高くても最初から素直にテレコンもこのレンズをチョイスしておいた方が無難なんでしょう。
個人的な印象にはなりますが、純正の「SEL70300G」はやはりAFに関してはワンランク上の印象でしたし、シグマの「100-400mm」は同社の「24-70mm F2.8 DG DN」と比較しても「全く遜色ない高画質での撮影が可能」と公式ページに書かれているので、今回紹介しているレンズよりも更に描写性能に優れているのかも知れません。
いずれにしても選択肢が沢山あるのは素晴らしいことなので、ソニーEマウントユーザーの特権としてじっくり自分にあった望遠ズームレンズを選ぶと良いと思います。
追記になりますが、ソニー純正の200-600mmというガチの望遠ズームを使ってみたのですが、やっぱりとんでもなく重くて扱いづらかったです(^_^;)
実際にこういうのと比較してみると、300mmまでしか伸びないとはいえ、本当にタムロンの70-300mmは軽くて扱いやすいなと実感出来ました。
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OSとの比較
シグマのライトバズーカ「100-400mm F5-6.3 DG DN OS」も借りて使ってみたのですが、描写力云々(写りはやっぱシグマが良い)以前の問題として、重量が全く異なります。
こっちは400mmまでで100mmも長いから重くて当然なんだけど、タムロンの70-300mmはこの半分の重量なんですよね。
100-400mmはズシッと重く「望遠レンズ!」を持ち歩く感覚なんだけど、タムロンの70-300mmは異常に軽いんで、本当に取り回しやすいのが気に入っています。
タムロンの150-500mm、シグマの150-600mmも含めてレンタルや購入でソニーEマウント用のほぼ全ての望遠レンズを使ってみましたけど、2022年現在結局手元にはこのタムロンの70-300mmだけが残りました。
300mmまでとはいえ、この軽量ボディは唯一無二で非常にお気に入りのレンズです。
ニコンZマウント用も出た
ニコンのZマウント用も発売されました。
ただ、ソニーE用と比較すると、2022年10月時点では2万円くらい高いようです。
軽量なのとコスパの良さが最大の魅力のレンズだけに、7万円オーバーだとちょっと微妙ですね。
今はまだ発売間もないからこの値段なのかも知れませんし、今後時間が経てば値下がりするのかもですが。
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