NEEWERやYongnuo等と並んで世界中のカメラ愛好家の間ですっかりお馴染みの中国企業「K&F Concept」のマウントアダプター。
私が購入したのは、富士フイルムのXシリーズのカメラにヤシカ・コンタックス用レンズ(以下ヤシコン)を取り付けることが可能になるマウントアダプターで、お値段驚きの2,500円!
ヤシコンのオールドレンズを2本持っているので、先日購入した富士フイルムのX-T20に装着するために入手してみました。
私はソニーEマウント用のヤシコンのマウントアダプターも所有しており、こちらには日本製のレイクォールを使っていますので、レイクォールのマウントアダプターとの比較も交えつつレビューしてみたいと思います。
ちなみにレイクォールのマウントアダプターは三脚座なしのタイプで16,000円くらいでした。
K&F Conceptとは
高品質かつ低価格な様々なカメラ用アクセサリーを多数取り扱っている中国ブランドで、日本国内では焦点工房が正規代理店として商品を取り扱っていますが、日本のアマゾンだとK&F Conceptが直販も行なっているようです。
K&F Conceptのマウントアダプター詳細
パッケージング
マウントアダプターはこんな感じのプラスチックケースに入って届きました。
箱を開けるとプチプチに包まれたマウントアダプターが。
保証書どころか、説明書のペラ紙1枚入っていなかったんだけど、入れ忘れ?それともこれで正常なの?
K&F Conceptのマウントアダプターの品質
マウントアダプターは金属製で、重量感もそこそこあってシッカリした作り。
触って指に引っ掛かるようなバリも見られず、加工技術は国産のそれと比較しても普通に高いように感じます。
レンズ装着側は未塗装で、
ボディ装着側はブラックに塗装されている形。
レイクォールの方も全く同じで、レンズ側は未塗装、ボディ側は黒で塗装されている形なので、ボディ側は訳あって塗装しているのかも知れません。
安い中国製品にありがちな「これアウトレットなの?」的な傷や汚れ、塗装ミスや塗装ハゲもなくとても綺麗な状態でした。
こうやって見るとレイクォールの方はネジが剥き出しで見えている分見栄えが悪いな。自分で直したり弄ったりするには便利でしょうけど。
ちなみにK&F Conceptの方はレンズ側、ボディ側共にキャップ無し、レイクォールはボディ側のみキャップあり。
保護する電子接点等が無い言っちゃえば「ただの金属の筒」とはいえ、キャップは埃がつくのを防ぐ目的もあるわけで、高い物じゃなくて良いからつけてくれりゃ良いのにとは。
K&F Conceptマウントアダプターレンズ側の着脱感
私が所有しているオールドレンズは、
CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.7
YASHICA DSB 55mm F2
の2本。YASHICAの方は元々家に置いてあった親父のフィルムカメラに付けっ放しになっていたレンズで、ヤフオクで平均約6,800円で落札されて入るようです。
ツァイスの方は私自身が未使用品をヤフオク購入したもので、こちらはヤフオク平均落札価格で約15,000円くらいのようですね。
ほぼ同じ焦点距離の2本で意味無いじゃん?なんですけど、YASHICAの方は絞りバネが固着してしまっていて開放でしか撮影できなかったこともあって、たまたま未使用で安く出品されていたツァイスを購入したって経緯。
防湿庫に入れっ放しにしていたら、何故か絞りバネ動くようになりましたが(苦笑)。
で、レンズを着脱する際に押し込むピンはK&F Conceptの方は「ここまでやらなくても…」ってくらい大きめで出っ張っていてレイクォールの倍くらいのサイズ。上部が盛り上がっていて、キノコ型なのもちょっと格好が悪いです。取り外ししやすいようにとの配慮でしょうが、ちょっとやりすぎな気が。
両レンズ共に着脱はスムーズで、レンズを装着した際にカチっと合図のクリック感もちゃんとあり。
レンズを取り付けた際の遊びやガタつきが一切なく、全く問題なくシッカリ装着することができるので、レンズ側の着脱に関してはレイクォールの物と遜色ありません。
値段も含めて考えるとこの加工技術(精度)には驚かされました。ぶっちゃけもう少しグラついたりするのかと。
加工精度が悪く、キツキツで思いっきり回さないとつけられないようなアダプターを使ってしまうと、着脱を繰り返すことでレンズやボディのマウント部分に悪影響が出るでしょうが、このK&F Conceptのマウントアダプターは大丈夫みたいです。
K&F Conceptマウントアダプターボディ側の着脱感
一方ボディ側(X-T20を使用)への着脱感はどうかというと、こちらも装着後はガタつくこともなく、遊びもなく、微動だにせずガッチリつきました。
ただし、レンズ側は回して装着した際にカチっだったり、甲高いピンという金属音だったりのクリック感というか手応えの合図がちゃんとあるのに、ボディ側には何故かそれが全くありません。
無いばかりか、少し回しただけで装着できてしまうので「装着できた」という手応えが乏しいのが非常に気になってしまいました。「えっ?これでついたの?」みたいな何とも言えないモヤモヤ感があります。
装着してしまえばガッチリついて、微動だにしないんだけど、「装着しましたよ」って合図が全く無いのが個人的にはどうにも苦手で気に入りません。
レンズ側にはちゃんとそれがあるのに、何故ボディ側で実現できなかったのだろうか?ちなみにレイクォールの方はボディ側に装着する際もちゃんとクリック感があります。
個人的にはこの点だけがどうしても不満に感じて残念でした。文章だと伝わりにくい部分ですが、本当に少し回しただけで何の合図もなくガッチリハマるんですよ…。この装着感が何とも気持ちが悪くて…。
X-T20でMFレンズを使用した印象
純正レンズ同様にヤシコンのレンズにも絞りリングがついていますから、全く同じ操作感で撮影することが可能です。当然絞りもちゃんと正常に動作します。
Exifには絞り値がF1.0固定で表示されてしまう以外は普通に表示されています。
K&F Conceptマウントアダプターのアマゾンの商品紹介ページには「フランジバック調整済みです。無限遠が出ます」と書かれています。Wikiによるとフランジバックとは「レンズマウントのマウント面からフィルム(撮像素子)面までの距離のこと」で、無限遠とは「それ以降、ピント調節が不要となる距離」だそう。
X-T20の液晶やファインダーは見やすい方だとは思いますが、私の視力が弱いことや、夜間に撮影してみたからか、いまいちピントの山が掴めず、ピーキングを「強」に設定し、ピーキング頼りで撮影する羽目に。
ピーキングの精度はかなり高いと感じました。ピーキング頼りでバンバン撮影しちゃって良さげな感じ。とはいえ、ローパスフィルターレスで少しのピンボケや手ブレの影響が現れやすいカメラだと思うので、カメラの解像力を最大に生かしたいと考えるなら、MF撮影時はやはり三脚固定がベストなのかなとは。
X-T20の場合は液晶右上のダイヤルを押し込むことでピント拡大し、そのままダイヤルを回すと倍率変更ができて便利。ただ、ピント拡大後に拡大したままピント位置を変更できないっぽい(私が知らないだけで出来るかも)のがちょっと不便に感じます。
今回使用のレンズ、X-T20共に手ぶれ補正が付いておらず、上記した通りでローパスフィルターレスで手ブレの影響がシビアに写ってしまうカメラだし、グリップが握りにくいのも影響して、35mm換算で75mmのPlanar T* 50mm F1.7だと私の場合はシャッタースピード1/100くらいは欲しい感じでした。
ソニーで使った時も同じでしたけど、「CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.7」、「YASHICA DSB 55mm F2」共にボケを含めて写りが現代的というか、オールドレンズらしくない(自分が思い描くオールドレンズの写りっぽくない)ので、撮影していてもあまり面白味を感じません(苦笑)。
K&F Conceptマウントアダプターの総括
マウントアダプターとして激安な値段も含めて考えると、外観、質感、装着感いずれも驚くほど作りが素晴らしく、装着後もグラつきが一切ない加工精度の非常に高いマウントアダプターで、何の問題もなく撮影可能ですから、間違いなく買い!の最高の商品だと思います。
高額な国産マウントアダプターのレイクォールと比較しても遜色のないクオリティで、ハッキリ言って「レイクォールとか買う必要ないじゃん」と思ってしまうほど。
だからこそボディ側の装着感だけもっと何とかならなかったのかな?と余計に残念に感じてしまいました。
個人的にどのくらい違和感があって、気持ちが悪いのかというと、この装着感を事前に知っていたら5、6倍支払ってもレイクォールの方買ってた。ってくらい。
もちろん個体差があるのかも知れませんし、私の個体がハズレだった可能性もあります。が、実際使ってみての感想はここまで書いてきた通りです。
なお、私はカメラに関してもマウントアダプターに関しても製作側の技術的な部分に関しては全くのド素人ですから、実際はレイクォールとK&F Conceptで価格差に見合うだけの技術的な差や品質的な差があっても気付かないだけなのかも知れません。
素人には分からない、分かりづらい部分で実は職人技が隠されていたり、実は微妙に写りに差があったりとか、もしかするとあるのかも。
どちらもただの金属の筒状に見えるマウントアダプターでも、このような技術的な違いもあるそうですから。
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