6年前に購入して長らく愛用中の古いミニコンポ「ONKYO CR-N765」をBluetooth化して、スマホやDAPのAmazon Music HDの楽曲を視聴するためにBluetoothレシーバーを導入してみました。
この手のBluetoothレシーバーは安価な物も多いのですが、Amazon Music HDの高音質を堪能したいので「プレミアムBluetoothレシーバー」と自称するちょっと高いAudioengineのB1を買ってみています。
Audioengineって?
Audioengine(オーディオエンジン)は、2005年設立のアメリカのテキサス州オースティンを拠点とする受賞歴多数のスピーカーブランドとのこと。
日本ではCayin(カイン)なんかを取り扱っているコペックジャパンが正規代理店になっています。
このようなアンプを内蔵したパワードスピーカーが人気で、このスピーカーはBluetooth接続できるので、スマホと接続すればスピーカー単体で即スマホのAmazon MusicやApple Music、Spotify等々が楽しめちゃうようです。
製品の品質には絶対の自信があるようで、Audioengineの製品は3年無料保証つき。
Audioengine B1って?
名前の通り「Bluetoothレシーバー」。
記載した通りで、メーカーは「プレミアムBluetoothレシーバー」とうたっているようですが。
早い話が、スマホやDAP等とAudioengine B1をBluetooth接続し、Bluetoothで飛ばしてミニコンポやスピーカーからパワードスピーカー(アンプ内蔵スピーカー)から音を鳴らせるようにするアイテム。
私のONKYOのCR-N765は古いオーディオということもあり、Bluetooth機能を有していません(専用外付けアダプタはあり)。
そこでこのレシーバーを介して所有しているDAP(ウォークマンNW-A105とDX160 ver.2020)のAmazon Music HDの音楽をCR-N765で鳴らそうと考えて購入しています。
Audioengine B1の付属品
- Audioengine B1本体
- RCAオーディオケーブル(1m)
- 取り外し式電源ケーブル
- マイクロファイバー製バッグ
- クイックスタートガイド
クイックスタートガイドは英語版ときちんと訳された日本語版の2冊同梱されています。
化粧箱は何の変哲もないダンボールの中に下のグレーの化粧箱に入っていました。
正規品はバーコード部分にコペックジャパンの印字があります。
並行輸入品だと3年無料保証を受けられないでしょうから、正規品を購入することをオススメします。
もちろん海外の店舗やAudioengineと直接やり取りできる人は並行輸入品でも問題ないのでしょうが。
Audioengine B1のデザインや質感
外装は金属製で値段なりのしっかりした作りです。
アンテナは樹脂でここだけ安っぽい質感ですが。
最初はOlasonicというメーカーの「NA-BTR1」を購入しようとしたのですが、外装がいまいちとのことで私はこちらを選択しました。
背面の端子類も作りは上々。
サイズは非常にコンパクトで、一般的な約6.1インチのスマホと並べてもこの小ささ。
Audioengine B1のスペック
- Bluetooth 5.0対応レシーバー
- 対応コーデック:aptX HD、aptX、AAC、SBC
- BluetoothプロファイルA2DP、AVRCP
- ワイヤレスレンジ最大30m
- 出力インピーダンス57Ω
- DAC:AKM社製 AK4396
- 再生周波数帯域10Hz – 20kHz (+/-0.5dB)
詳細が気になる方は公式サイトで。
うたい文句としては、
- 簡単接続
- aptX HD対応
- 24bit DAC
- 最大30mのワイヤレスレンジで途切れにくい
- アナログ、光デジタル両用
- 既存のBluetoothレシーバー製品を遥かに超える新しい次元のサウンドクオリティ
これらが強調されています。
Audioengine B1の接続(設定)方法
私のONKYOのCR-N765(ミニコンポ)とDAP(ウォークマン)の接続方法を例にすると、
- Audioengine B1とCR-N765のそれぞれの背面に光デジタルケーブル(もしくはRCAオーディオケーブル)を挿す
- Audioengine B1とウォークマンの電源オン
- B1前面のPowerランプが点滅し、自動でペアリングモードに
- 正常に接続すると赤色にランプ点灯し、送信機側のスマホやDAPの音楽がCR-N765のスピーカーから流れる
こんな感じ。
本当に簡単にDAPのAmazon Music HDの楽曲がCR-N765から流れてきてちょっと感動。
最初に行う物理的な接続は、単にケーブルをAudioengine B1と
CR-N765の背面に挿すだけ。
上の写真の通り、Audioengine B1は光デジタルケーブル接続も可能なので、私は所有していたソニーのサウンドバーに付属していたケーブルを使って接続しています。
Audioengine B1に光デジタルケーブル付属していませんが、Amazonで安価に販売されているので、デジタル接続したい場合はこのようなケーブルを別途購入すればOKです。
接続準備は本当にこれだけ。
あとはスマホやDAP等をペアリングしてやるだけでミニコンポのスピーカーからDAPのAmazon Music HDの楽曲が流れてきます。
Audioengine B1のペアリングについて
2台のDAP(ウォークマンNW-A105とDX160 ver.2020)でペアリングを行ってみましたが、どちらも何の問題もなくペアリング可能でした。
ペアリングはスマホなんかとBluetooth接続する際のペアリング作業と全く一緒で何ら難しいことはありません。
2回目以降は基本的には自動的にペアリングされるのですが、DAPをオフ、Audioengine B1がスリープの状態が長時間になってしまうと、
再接続する際にDAPを立ち上げると、このようなメッセージが流れ、これを無視してしまうと
ペアリングが初期化されてしまうのか、再度ペアリングをやり直す羽目になりました。
これに関しては私のDAP(DX160 ver.2020)との相性の問題もあるかも知れないので、もう少し検証して追記しておきます。
上記のようなメッセージが出てしまったのは、私が端末(私の場合はDX160 ver.2020)のBluetooth接続をオフにしてから端末の電源をオフにしていたからでした。
DX160 ver.2020はスリープ状態にしたままだとバッテリーを食うので、終了時に毎回電源をオフにしますが、その際にBluetoothをオフにしてから電源を切っていたので。
DAPの場合はスマホと異なり、常に使うものではないから、バッテリーを減らさないためにも電源は完全にオフにしています。
なお、Audioengine B1の電源をオンにした場合もペアリング作業が開始されるので、この際に1度ペアリングしている端末を近づければ自動的にペアリングされます。
今度はペアリング済みのゼンハイザーのワイヤレスイヤホン「CX400BT」を耳に装着した状態でDX160 ver.2020の電源を入れてみたところ「複数のデバイスに接続しました」と表示(いわゆるマルチペアリング)され、両機種にBluetooth接続されました。
この状態でDX160 ver.2020のAmazon Musicを鳴らしてみたところ、B1のほうが優先される(写真の通りで上位に位置するから?)ようで、CX400BTからは音が鳴りません。
CX400BTのほうを使いたい場合は、B1のペアリングを解除し、CX400BTのほうも解除し、再度CX400BTのみペアリングしてやる必要がありました。
B1のペアリングだけを解除した状態だと、何故かCX400BTからも音が出てこないので、CX400BTも解除してやる必要があるようで・・・。
機器の組み合わせや、利用アプリ(私の場合はAmazon Music)によっても変わるかも知れませんが、複数の機器をBluetooth接続している端末を利用する場合はちょっと面倒くさいかも。
スマホとAudioengine B1とのペアリングについて
こちらもDAPの場合と基本的には一緒で、ペアリング作業はスムーズに行えますし、一度ペアリングしてやれば2回目以降は自動接続されます。
ただ、面倒くさいのがスマホはDAPなんかと異なり、電源を落とさずスリープ状態で使う点。
スマホのBluetoothをオンにしっぱなしの人は多いと思いますが、その場合はAudioengine B1の近く(メーカー曰く30m)に来ると、別に音楽を聴く予定がなくてもスマホとAudioengine B1は自動的にペアリングしてAudioengine B1の電源がオンになってしまいます。
ですから、基本的には音楽視聴を止める際は、スマホとAudioengine B1とのBluetooth接続を切断して終了する形になるかと。
この場合は毎回ペアリング作業は必要になりますが、ペアリングしてやればAudioengine B1の電源も自動でオンになるので、自分のタイミングでAudioengine B1の電源もオンに出来るので。
ちなみに、Audioengine B1は電源オフ機能を持ちません(下記の「Audioengine B1の欠点」の項目に詳細を記載)。
Audioengine B1の電源をオフにする場合は、コンセントを抜く必要があり、Audioengine B1は通常はスリープ状態で待機する形になります。
Audioengine B1のBluetooth電波強度について
Bluetooth 5.0で、ワイヤレスレンジ最大30mということもあるからか、NW-A105、DX160 ver.2020どちらと接続した場合でも音飛びや音途切れも一切なく非常に快適に視聴することが可能です。
Amazon Music HDでコーデックが「FLAC 24bit/192kHz」のデータ量が大きいノラ・ジョーンズのサンライズという楽曲をWi-Fiでストリーミング視聴しても全く問題はありませんでした。
Bluetoothの電波強度が酷くて、ワイヤレスイヤホンと接続すると音が途切れまくるDX160 ver.2020との組み合わせでも問題ないので、大抵のスマホやDAP、PCとの組み合わせでも問題ないのかなとは。
ちなみにAudioengine B1からどこまで端末を離すと音途切れや音飛びが発生するか試してみたところ、障害物がなければ8m程度離れていても全く問題ありませんでした。
調子に乗って設置している2階の自室から階段を降りて1階でと思ったところ、階段を降りている途中でBluetooth接続が切れてしまいました。
なお、私は古いスマホやDAP等との組み合わせは試せていないので、機器が古い場合の接続の安定性は試せていません。
Audioengine B1の音質に関して
Amazon Music HDのUltra HDやHDの楽曲をaptX HDでAudioengine B1に飛ばして聴くことが出来るからか、音質は抜群で何の不満もありません。
本当にコーデックがaptX HDで接続出来ているのかも「開発向けオプション」で確認してみましたが、この通りでちゃんと接続出来ているようです。
スマホとの接続で確認してもaptX HDで接続しているのが分かりました。
音質に関しては「40-50時間ほどのエージング期間が必要となる場合があります」とマニュアルには記載がありましたが、特にエージングの必要性は感じませんでした。
ただ、エージング後に更に音質が良くなった印象はありませんが。
Audioengine B1のノイズに関して
Bluetoothのワイヤレスイヤホンを使っている人は良く分かるかと思いますが、Bluetooth接続している以上、ホワイトノイズは切っても切れない問題で、やはりAudioengine B1も多少はホワイトノイズのようなノイズは聴こえてきます。
ただ、ベートーヴェンの月光のようなピアノのみの静かな曲で、あえてノイズを気にすると気になってくる程度なので、通常使用で気になることは殆どない気はしています。
まぁ感じ方は個人差あるので、あくまでも私は気にならないと言うしかありませんが。
Audioengine B1の欠点
自由に電源をオフできない
前面に「Power」と書かれたボタンはついているものの、このボタンで電源はオンには出来ますが、オフにすることは出来ないため、基本的にはスリープモードになるのを待つか、コンセントを抜くかしか電源をオフにすることが出来ません。
しかも、スリープモードに移行するためには、端末側とのペアリングを解除後、5分経過すると自動的にスリープモードに移行する形しかないので、ユーザー側で自由にスリープ状態にすることが出来ません。
ペアリングを解除するとPowerランプが白色に5分間点滅後に自動的にスリープモードに移行する形なので、5分間ランプが点滅しっぱなしになりますから、就寝前で部屋の電気を消した状態だとこのランプがチカチカうるさくて鬱陶しい。
一応念の為にサポートに電話で問い合わせてみたところ、
どうしてもユーザーの意思で電源をオフにしたい場合はコンセント抜いて下さい
とのことでした。
なお、コンセントを抜かないと電源オフにならないため、基本的にはスリープ状態のまま使うことになるこの製品ですが、スリープ状態での消費電力はほぼゼロに近いので、スリープ状態で長時間放置していても問題はないそうです。
音の出始めのみAudioengine B1から音が
毎回音の出始めの一度だけ(スリープ状態からランプが赤に変わるって接続される際)ですが、音楽を聴く際にAudioengine B1からパチンと機器が故障する際に発するような嫌な音が聞こえます。
正常に機器が接続されましたというサインなのかも知れませんけど、ちょっと嫌な音なので個人的には気になりました。
まとめ
これは最高に気に入りました!
本体の質感、接続が簡単、ペアリングも問題なし、DX160との接続でも音飛びや音途切れなし、音質はクリアで上質、Amazon Music HDの楽曲をケーブルレスで簡単に視聴可能と良いところばかり。
唯一気に入らなかったところは記載した通りで、電源のオンオフが自由に出来ない点くらいでしょうか。
もしBluetoothに対応していないミニコンポやパワードスピーカーをお持ちでしたら是非。
ただ、今のミニコンポは大体Bluetooth対応ですから、このようなレシーバーとか必要ない人が殆どなんでしょうね。
未だに一番人気のマランツの「M-CR612」も対応しているようだし、2万円程度の製品も今のは殆どBluetooth対応のようだし。
そんなわけで、非常に素晴らしい製品ですけど、残念ながらあまり需要はないのかな?
同様のBluetoothレシーバー機器
この機器以外にもBluetoothレシーバー機器があるので、最後にいくつかご紹介しておきます。
性能も価格もピンキリなので、Amazonのレビューなどを参考に用途にあった製品を選ぶと吉かも。
なお、FiiOから販売されていた「BTA30」は生産終了してしまったようです。
iFI-Audio ZEN Blueとの比較
上でご紹介したiFI-AudioのZEN Blueも同価格帯ながら優れもののBluetoothレシーバーのようで、
- 全てのコーデックをサポート
- 4.4バランス接続可能
- COAXIAL端子あり
この3点においてはAudioengine B1よりも上でした。
コーデックに関してはソニーのLDACに加え、aptXはaptX Low LatencyとaptX Adaptiveもサポート、またHUAWEIのHWA/LHDCもサポートしていているので、2021年時点での現行のコーデック全て網羅しています。
また、4.4mm出力でアンプやスピーカーにバランス接続できたり、Audioengine B1がOpticalのみなのに対してCOAXIAL接続も可能です。
ちなみに、iFI-Audioは「イギリスのハイエンドブランドAMR(Abbingdon Music Research)から2012年に派生したブランド」とのこと。
音質に関しては私はAudioengine B1しか知らないから比較出来ませんが、ZEN Blueも非常に魅力的ですね。
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