2018年8月26日に届いて以降、毎日使い続けてみている富士フイルムのコンデジXF10です。
X-T20の時もそうだったんだけど、どうも私が富士フイルムのカメラを買うと雨ばかり降るようで、まだ晴れた日は2日しか持ち出せていないのですが、それなりに使ってみて良い点悪い点がある程度理解できたのでレビューをしてみることにしました。
XF10の特徴
一言で簡単にまとめると、
って感じ。
センサーはX-T100に積んでいる物と同じ(との話)ベイヤーの2424万画素のAPS-Cサイズで、レンズ焦点距離は35mm判換算約28mm相当、開放F値がF2.8の単焦点のFUJINONレンズ搭載。
APS-Cセンサーを搭載した小型軽量のコンデジで、富士フイルムのフィルムシュミレーションを使えて、尚且つ格安の5万円ちょいで買えてしまうカメラです。
XF10の付属品
と非常にいたって普通ですが、
どういう理由があるのか、こんな感じで合体させてから使う珍しいタイプの充電器が付属していました。
ストラップはなかなか質感の良いフェイクレザーのようなブラウンのハンドストラップが付属しているのですが、私は使う予定はないので袋から出していません。
あとレンズキャップに付いていた落下防止用の紐もみっともないから即取ってます。
XF10の良い点
コンパクトで安い!
個人的にはこれが一番魅力的でした。
私が所有している初代RX100よりちょっと横幅はあるものの十分小さく、なおかつこのサイズでAPS-Cセンサーを搭載していて、実売50,000円ちょいは非常にお買い得感を感じさせます。
ビルドクオリティ
色はシャンパンゴールドを選択してみましたが、予想していたよりも遥かに上々で、程よいゴールドの上品で非常に美しいカラーで、レンズキャップのマットなブラック、グリップのフェイクレザーの落ち着いたブラウンを加えた全体のカラーリングもとても気に入りました。
ボディもちゃんとメタル製でプラボディじゃない点もグッド。
プラスチック製だそうです。大変失礼致しました。
全体的に流線型で丸みを帯びたボディデザインも美しくとても気に入りました。
サイドの端子カバーもバネ式でとても気持ち良くパチっパチっと開閉する端子カバーがついています。
最近では高額なカメラでもこの端子カバーが1点だけでくっつくタイプのプラプラみっともないのになっちゃっている(うちのα7R IIIとか)ので、このようなまともなカバーは大歓迎。
その他、薄型のレンズキャップや滑らかに動作するフォーカスリングやコントロールリング類、ボタン、ジョイスティック等々、様々なパーツ類も非常に丁寧に作られていて好感を持ちました。
タッチ液晶とジョイスティックが便利
このサイズのコンデジにも関わらず、ちゃんとフォーカスレバー(ジョイスティック)がついているため、メニュー項目の選択時や、フォーカスポイントをちょっと動かすのにも使えて凄く便利。
押し込むことでフォーカスポイントの大きさや「シングル、ゾーン、ワイド」のフォーカスエリアを変更することが可能な点もグッド。
液晶が固定なのは残念ですが、タッチ液晶なので、フォーカス位置をタッチで瞬時に変えたり、メニューをいじったり、撮影した写真の拡大&送りができてしまうタッチモニターはやはり非常に便利です。
グリップ付き
微妙に飛び出ているだけのグリップとはいえ、有ると無いとではやはり大違い。
私はRX100も所有してるので、持ち比べると違いはよく分かります。
しかもグリップ部分はフェイクレザーで滑り止め加工も施されているため、持ってみると意外なほどグリップ感は悪くありません。
フィルムシミュレーション使用可能
日本だけじゃなく海外のユーザーからも評判の良い富士フイルムのフィルムシュミレーションと呼ばれる色味(PROVIA、Velvia、PRO Neg. Std等)が使えます。
特に緑や肌色は美しく、JPEG撮って出しでも十分満足できる発色の良さや色の再現性を楽しむことが可能です。
MFがやりやすい
液晶モニターをタッチするだけでAF-S、AF-C、MFが即変更可能な上、フォーカスリングを回すと自動でピントを拡大表示させる機能や、ピーキング機能も使えるので、MF撮影がとてもやりやすいです。
デジタルテレコンが使える
デジタルテレコンバーター機能を搭載しているため、35mm換算で28mmのみの単焦点レンズながら35mm、50mm(いずれの値も35mm換算)とレンズ3本分の焦点距離が楽しめます。
画像処理で擬似的に画角を変える機能なので、保存形式はJPEGのみで画質の劣化は当然ありますが、等倍で見たりしない限りはほぼ分からない程度の劣化です。
また、フォーカスリングにこの機能を割り当てておけば、フォーカスリングを回す度に35mm、50mmと瞬時に画角を変更することも可能。
タッチファンクション機能が便利
「タッチファンクション機能」と呼ばれる、上下左右4方向のフリック操作にそれぞれ機能を割り振ることが可能になっています。
例えばモニターを左から右にスワイプさせると3:2から1:1のスクエア画角に瞬時に切り替えられるとか。
ちょっと文章だと伝え難いので、実際に店舗でいじってみると分かりやすいと思いますが、割り当てられる機能は限られるとはいえ、4つのカスタムボタンの代わりになるわけで、なかなか画期的な機能なんじゃないかと。
2018年現在、恐らくこの機能は富士フイルムだけだと思われます。
ちなみに真横からスワイプさせるとフォーカス位置を変えるタッチ操作と重なるからか失敗することが多くなってしまうため、上から液晶を叩くように上下左右にフリックのような形で指を動かすと良いようです。
フォーカスリングに機能を割振れる
フォーカスリングがコントロールリングも兼用していて、MFでフォーカスリングとして使用する時以外は各種機能を割り当てておけます。
例えばここにデジタルテレコンを割り当てておけば、このフォーカスリングを回すだけで画角を35mm、50mmに瞬時に変更できて非常に便利。
ボケが綺麗
APS-Cの大きめセンサーに加えて、最短撮影距離10cmのマクロ撮影も可能なため、大きなボケを簡単に作ることが可能です。
富士フイルムのカメラとレンズは、このボケの境目のグラデーションがなだらかで綺麗と評判だとか。
スマホやPCに簡単送信
スマホ用アプリやPC用の専用ソフトを使用することでWi-Fiで飛ばして簡単にスマホやPCに保存することができます。
ちなみに同じような写真ばかりなのは「RAWプラスJPEG」で撮影しているからなのですが、この一覧表示でどれがJPEGなのかRAWなのかの表示が出ないのはちょっと困る点かも。
とはいえ、この手のアプリやソフトは酷いメーカーもあるけど、富士フイルムのはアプリはかなり使い勝手良好なのは間違いない。
XF10の悪い点
AF性能の低さ
数世代前のAFシステムでも積んでるの?ってくらいAF性能が低いです。
スピードに加えて賢さや精度も。
屋外で十分な明るさ&被写体のコントラストが高ければすんなり合ったりもしますが、昼間の室内撮影ですら迷う迷う。
シングルポイント(フォーカスポイント1点)でも「被写体すり抜けて奥に行って手前に戻ってやっと合う」みたいな挙動が頻繁に起こりますし、十分迷った挙句にボッケボケで「合焦しました!」と知らせてくることなんかも…。
こんなコントラストの高い被写体ですらシングル1点でなかなか合わず、数回フォーカスを合わせ直しました。
顔認識がそれなりに実用的なのと、タッチフォーカスが出来るのがまだ救いかな。
とりあえず私はフォーカスエリアはシングルポイントのみ(ゾーンも使い勝手は悪くはない)しか使う気になれないです。
動画撮影時のAFも酷いので、動画もガッツリ楽しみたい人は、素直にRX100シリーズとか選択した方が無難。
ただし、ファームウェアのアップデートで修正される可能性もあるかとは思います。
特に初期状態だと背景抜けが酷かったので、ここは修正されるかも。
かなり厳しいアドバンストSRオート
完全オートで初心者向けの「アドバンストSRモード」ですけど、上記した通りAFがおバカちゃんなので、かえって使いづらい気が…。
このモードだとフォーカスエリアが完全オートとなるため、シングルポイントで狙った位置にタッチフォーカスすることすら出来ません。
シャッタースピードも当然オートになりますが、LED蛍光灯の室内で1/30とかで平気で設定してくるので、手ぶれ補正機能が無いカメラですから、初心者はブレブレの写真を連発しちゃいそう。
初心者用のモードのはずなのに、かえって難しいんじゃね?の本末転倒モードのような気がします。
平凡な画質
画質はAPS-Cセンサー搭載のカメラとして考えると、かなり平凡な部類に入るのではないかと。
売値10万円で作られたモデル末期で価格が下落しているカメラを5万円で買ったわけではなく、初めから5万円で作って十分に利益が出るカメラなわけですから、やはりコスト削減は可能な限りしているでしょうし、ここら辺は割り切るしかないのかなとは。
もちろん「画質が悪い」と言う話ではありませんが、私が所有している&していたAPS-Cのカメラだと、キヤノンの古い一眼レフの60Dよりも悪いし、同じフジのX-T20と比べるのは酷かなってレベル。
センサー自体は悪くないはずだから、足を引っ張っているのはやはりレンズ性能なのかな?と。
画質に関しては、下で写真を掲載して更に話を続けてみます。
中途半端なタッチモニター
便利なはずのタッチ液晶ですが、なんとQメニューはタッチで操作不可だったりとタッチ操作できる項目がかなり限られます。
タッチ液晶でメニューすらいじれないソニー製のカメラよりはマシとはいえ、せめてこのQメニューくらいはタッチで操作可能にして欲しい。
って言うか何故こんな中途半端な仕様にした?
ラグいシャッター
シャッタースピードに関わらず、シャッター半押しからシャッターを切るまでの動作が何とも言えずラグいです。
モサっとした何とも言えない間があるため、手ぶれ補正がないことも加わり、余計に手ぶれしやすくさせている気がします。
ハイライト等のパラメーター変更が
RAW現像の際に誰もが必ずいじるハイライトとシャドウの値を-2から+2の間でいじれる富士フイルムのカメラ。
それゆえJPEG撮って出しでも、予めこれらの値をいじっておくことにより、現像した写真の仕上がりに近い形で撮影することが可能。
にも関わらず、XF10の場合はこのパラメーターがフィルムシュミレーション(PROVIA、Velvia等の色味のこと)ごとの個別の変更が不可能で、変更した値は全ての色味に共通で適用されてしまう仕様となっております。
例えばPROVIAの時はシャドウやシャープネスを下げておいて、Velviaの時はカラーを足してシャープネスも足しておく、みたいなカラー別にパラメータ変更しておくことができません。
パラメーターの値を全てデフォルトの0のままいじらない人にとっては関係のない話とはいえ、これらを変更しただけで大きく色味をいじれて印象を変えられる個人的には頻繁にいじりたい設定項目なだけに、これは非常に残念な点でした。
確かX-T20は個別に変更できたはずなんですけど…。
手ぶれ補正は動画撮影時のみ
手ぶれ補正機能は「動画撮影時のみ」有効で、静止画撮影時は効きません。
小型軽量ボディに微妙な出っ張りだけのグリップも加わるたりブレやすいカメラなので、シャッタースピード1/100とかでも片手でラフに撮影するとブレてしまうことがあります。
初代RX100ですら手ぶれ補正がついているわけですから、価格帯的に初心者をターゲットとしているカメラでしょうし、なんとか頑張って欲しかったなと。
使いづらいデジタルテレコン
デジタルテレコンをフォーカスリング(コントロールリング)に割り当てておけば、リングを回転させるだけで画角を瞬時に変えられて非常に便利なことは上記しましたが、保存形式をJPEG以外に設定しておくと、デジタルテレコンは使用することができません。
デジタルテレコンは、保存形式がJPEG設定時のみ使える仕様となっていて「RAW」や「RAWプラスJPEG」に設定していると使えないので、JPEGに設定し直さなければいけません。
初心者向けの機種とはいえ、大型センサーに魅力を感じたり、フジの色を使ってみたいと考えてサブで購入しているRAWで保存している中級者たちも少なくないはず。
デジタルテレコン使用時は、RAW保存設定中でも強制的にJPEG保存に切り替わってテレコンが使えるシステムに変更して欲しいところ。
約250分の充電時間
満充電にするのにガッツリ4時間必要。
また、バッテリーチャージャー別売りですから、充電する際はカメラ本体が必要となります。
もっともここら辺は私が持ってる初代RX100も一緒なので、個人的にはそこまでは気になりませんけど。
液晶固定
もちろん分かった上で買っているとはいえ、やはり動けば便利。
ASTIA無し
これも事前に分かっていたことですが、モノクロのASTIAは非搭載です。
私自身はX-T20を使った際にASTIAの良さがイマイチ分からなかった(って言うかそもそもモノクロの良さが)ので別に何とも思いませんが。
通常のモノクロはもちろん選択可能です。
コマンドダイヤルへの不満
カメラ上部の手前(リア)と奥(フロント)の2か所についているコマンドダイヤル。
私は絞り優先モードのAモードでしか使っていませんが、奥のダイヤルで絞り値変更、手前のダイヤルで露出補正と固定されており、反対に変更することが出来ないようです。
個人的には頻繁に回して変える絞り値の方を手前の回しやすいダイヤルに設定したいなと。
PC AutoSaveの仕様
PCにWi-Fiで飛ばせるソフトウェアのPC AutoSave。
非常に便利な反面、
Macを立ち上げる度に「開始しました」というようなメッセージを流し、ステータスバーの常駐解除の設定すら出来ないのは如何なものかと。
便利でしたが、Macを立ち上げる度に流れるメッセージがウザすぎてアンインストールしてしまいました。
レンズ内のゴミ?チリ?
届いてキャップ開けたらレンズ内部に何やらチリのようなゴミのような物がポツリと混入していました。
上4つのカラーの写り込みはLED蛍光灯の写り込みで、その下の点。
一応フジのサポートには電話連絡してみたんだけど「点検修理に出して下さい」と一言だけ。
「写真撮ってるので確認してみてくれませんか?」と言ってみましたが「うちはそういうことしないんで」的な言い回しでやんわりと。
写りには全く影響はないものの、キャップ開ければ常に見えて鬱陶しいため、販売店で新品交換してもらおうかとも思いましたが、とりあえず売る予定もないし、メンドクセーからまぁ良いかと。
私が購入したネット販売店の初期不良対応を見てみたら、
新品交換はするけど、代替がない場合はメーカー修理になる
こんなことも書かれていて、この時点で「取寄せ」表記だったから、どっちにしろ修理扱いのようだったし。
私の場合は初期不良くさかったX-T20の件もあるし、そうじゃなくても日本製のフラグシップ機のX-H1でさえ不具合あるまま出荷しちゃったりと、全般的に見て富士フイルムのビルドクオリティはかなり問題を抱えているようなので、余計なお世話だけど、ここら辺本当にちゃんとした方が良さげ。
XF10の作例(サンプル)
注釈なしの写真は全てJPEG撮って出し。
ただし、シャドウやハイライト、シャープネス等の値はいじっています。
全て2048pxにリサイズしてFlickrに大きめの写真をアップしてみました。
デジタルテレコンを使ったのではなく、逃げなかったので寝転がって思いっきり寄って撮影しました。
この写真のみRAWデータをLightroomで現像していて、シャープネスを70、トリミングとカラーをLightroomのカラープロファイルからVelviaに変更しています。
ですので、この色はLightroomが再現した富士フイルムのVelviaの色ってことになります。
個人的な印象としてはLightroomのカラープロファイルは富士フイルムのJPEG撮って出しの色をほぼ再現している印象を持ちました。
周辺の画質をチェックするのにF7.1まで絞った平面的な写真。
シャープネス上げてみてどうなのかを試すため、あえてシャープネスをプラス2(MAX)にして、ピントは中央に1点で合わせています。
こうやって見ると周辺もまずまずなのかな。
こういう平面的な写真を見た限りは写りは悪くない気はするのですが…。
こちらもシャープネスの値をプラス2にして撮影していますが、びっくりするほど解像してなくて逆に驚いてしまいました。
かなり絞っても遠景の森の木々等がドロドロで塗り絵のようになってしまうことがや周辺が解像しないケースが多々ありました。
中途半端な田舎住まいなため、どうしてもネイチャーばかりになってしまいますが、X-T20の写真と比較すると、フジのカメラでネイチャー向けなのは「X-Trans CMOS × ローパスフィルターレス」のカメラなのかなとは。
もちろんレンズ性能もあるんでしょうけど。
Velviaの緑はやっぱり綺麗かも。
目視した緑よりも色濃い深い緑に仕上がるんだけど、くどくならず、XF10のVelviaの緑は個人的に凄く好きな色で非常に気に入っています。
開放F2.8で。
かなり見た目に近い色合いで撮影できた感じ。
X-Trans CMOSセンサーじゃないこのカメラの富士フイルムの色に関してはどうなんだろ?
「フジの色じゃねー」とか「フジの色で気に入っている」とか賛否あるようですが…。
X-Trans CMOSセンサーを積んでいないカメラはX-T100等の安価な一部のカメラのみですが、私自身はもう少しガッツリ使ってみないと分からないので保留にしておきます。
また、全体的な画質の印象に関しても、まだ900枚くらいしか使えてないので、もっと使い込まないと何とも言えませんが、
私物のX-T20に安価な「XF35mmF2 R WR」レベルをつけて撮影した写真と比較してみると、やはり解像感に関しては明らかに劣るのは分かります。
ローパスフィルターの有無もあるでしょうが、やはり単純にレンズ性能の差なのかな?とは。
もっとも解像すりゃ良いってもんでもないし、キレキレに撮りたい場合は私はα7RIIIを所有しているので、ここら辺は十分割り切って使える部分ですけども。
ガッツリ晴れた日の写真も1枚だけ。
船体識別番号を消したりしたためRAW現像していますが、RAWプラスJPEG(Velviaのハイライトを-2、シャドウを-1)で撮影したカラーをもとに同じような色合いに仕上げてみました。
なお、液晶の明るさはプラス5まで上げられるのですが、そのプラス5でも直射日光の下だと視認性が悪い感じでした。
XF10は初心者にも中上級者にも厳しい
価格を抑えることを最優先で考えて作ってしまったがゆえ、様々な弊害が出てしまった残念カメラって印象が…。
5万円ちょいで売っても十分儲かるカメラに仕上がっているため、やはり色々な部分でキッチリと手は抜かれているんだろうなとド素人でも。
初心者はおバカなAF性能や、手ぶれ補正が無いせいで使いづらさを感じるだろうし、中上級者は画質面の物足りなさと、痒いところに手が届かない使い勝手や機能面で使いづらさを感じるだろうし。
ただし、富士フイルムはこまめにファームウェアのアップデートをしてくれるメーカーの印象があるので、使い勝手や機能面はある程度期待は持てるのかなとは。
ファームウェアのアップデートで色々修正されれば、当然個人的な評価はまた変わります。
でも今のままならサブ機としての購入もぶっちゃけオススメ出来ないかな。
このXF10の写りや性能なら、たとえ大きくて高額になってしまってもレンズ交換式のX-T20やX-T100買った方がマシだと思うし、
本気でやりたいなら3倍以上出しても、荷物としてかさばってもこっちの方が満足度は遥かに高いだろうし。
コンデジ買うにしてもX70やX100Fの後継機が出るかも知れないので、素直にそっち待ちの方が良いのかも。
今は様子見で、ファームウェアのアップデート次第で購入するか決めるのがベストのような気がします。
写真や動画撮影にスマホしか使用していないであろうカメラ初心者がXF10を使用するとどうなってしまうのかの分かりやすいサンプルがありました。
低評価たくさんついてたり、酷いコメント書いてる奴いるけど、これはユーザーが悪いんじゃなくて富士フイルムが悪いと思う。
バッテリーチャージャーが無い
後日、バッテリーの充電時間約250分は長すぎるのと、充電する度にカメラ本体ごとコンセントまで持っていくのは嫌なので
RX100の時と同様に専用のバッテリーチャージャーをポチろうと思ったら、XF10はこれを使って下さいと公式サイトに記載がある型番「BC-65N」が何と製造終了ですって。
いやいやいやいやいや新製品(XF10)の純正アクセサリーが発売直後(発売前?)から製造終了ってあり得ないでしょ。
で、他の探してみたんだけど、結局XF10用(バッテリーNP-95)のバッテリーチャージャーは1台も用意されていませんでした…。
バージョン1.10でAF精度が
ファームウェアのアップデートが来たのでインストールしてちょっとテストしてみた限りではありますが、AFの速度と精度が改善した印象を受けました。
特に「AF精度」の方ですかね。チェックした限りではかなりの改善が見られました。
バージョン初期状態の場合
- 三脚固定
- ピント位置はシングル(最小サイズ)で目
- 色味以外の設定は全て一緒
- タイマー2秒で撮影
プロビアとベルビアの色味の違いをテストするのにこんな感じで最初にプロビアで1枚、液晶をタッチしてベルビアに変更して更に1枚と全く同じ条件で三脚固定で連続撮影しただけでバチピン、ピン甘の写真が撮れてしまう始末。
被写体をLightroomで2倍に拡大表示してこのくらい(FlickrにアップしたのでPCで確認すれば大きなサイズで確認可能)ではありますが、右は明らかにブレ?ボケ?ちゃっているので、これを愛用しているiMac 5Kで全体表示すると「眠い」「解像感がない」と感じて見える模様。
どの程度の頻度でこのようなバチピンにならないというかブレ?ボケ?写真が撮影されてしまうのか、今度は色味も一緒で全くいじらず、上記した設定と同じ形で連続で撮影してみたところ、17枚中で明らかに酷いのが3枚、許容範囲(若干のブレ)が2枚ほどありました。
このピント精度のバラつきみたいな現象というか症状に関しては、私のX-T20でも更に酷い頻度で起こっていたので、私は個体の初期不良と感じて早々に処分したわけですが、もしかするとフジの安いカメラのAFシステム特有の問題なんですかね?
それとも富士フイルムのカメラのAFってこんなものなの?
MFでピントを固定したわけじゃないから、精度に多少のバラつきは出てもおかしくないと言えばおかしくないんだけど、被写体が動かない、三脚&タイマー撮影で明らかに酷いのが写っちゃうレベルだと安心して使えないわけです。
バージョン1.10に変更して
で、ファームウェアのアップデート後に三脚設置で被写体も一緒の同様のテスト(下の54番以降)を行ってみたところ、なんと今度は明らかに酷いのは1枚も撮れず、許容範囲(若干のブレ)が2枚でおさまりました。
AF自体は「一旦奥に抜けて戻ってきてから合う」みたいな挙動を毎回見せるので速度面の恩恵は殆ど感じませんでしたが、それでも精度さえ上がってくれれば安心して使うことが出来るので良かったなとは。
もっとガッツリ使ってテストしてみてやっぱり変わってないようなら追記しておきますけど。
そもそも単焦点レンズを搭載しているカメラとは言っても、AF時にはこんな感じでこの黒い部分が「飛び出したり戻ったり」の挙動を行うタイプ(全群繰り出しと呼ぶそう)なので、今後いくらファームウェアのアップデートが来てもAFに関しては特に速度面では劇的に改善することは無いと思います。
非常に使いづらいカメラであることには変わりはないので、やっぱり私は誰にもオススメは出来ないかなとは。
なお、
- 消費電力設定→ハイパフォーマンスモードをオン
- フォーカス設置→プリAFをオン
これでAF速度はだいぶマシにはなりました。
ただし、両方共にバッテリーを消費する設定なので、バッテリーの持ちは多少悪くなるかも知れません。
また「プリAF」は被写体にカメラを向けた段階でカメラが自動でピント合わせの動作を行う機能なので、このカメラの場合はレンズが常に動いてカチャカチャうるさいので鬱陶しい。
ですから、私はハイパフォーマンスモードのみオンにしています。
【2019年3月】フリック入力機能が故障
XF10の良い点の欄に記載している「タッチファンクション機能」と呼ばれるフリック入力機能(スワイプと誤まって表記いたのでフリックに修正しました)がほぼ動作しなくなってしまいました。
恐らく富士フイルムのカメラのみ独自の機能で、これで4つの機能を割り当てられるよく考えられた非常に素晴らしい機能だっただけにガッカリ。
最初からタッチAFと誤作動してしまったりの動作が微妙な感はあったんで、何となく嫌な予感は最初からありましたけども。
本体リセットでも直らないので、仕方がないから富士フイルムに修理に出す予定。
って言うか、まだ1800ショットくらいしか使ってないんですけどね…。
不調の場合はバッテリー抜き?
「そう言えば」と思って、念のためバッテリーを抜いて数分放置し、
- 撮影メニューリセット
- セットアップリセット
この両方のリセットを行ってみたところ「フリック入力機能」が無事動作するようになりました。
よくある「AV機器が調子悪い時にコンセントから電源ケーブルを引き抜いて強制的にリセットさせる」みたいな感じでしょうか。
このカメラは本体に直接ケーブルを挿し込んで充電するタイプなので、予備バッテリーでも持っていない限りはバッテリーをカメラから引き抜く必要性が一切ありませんから気付きませんでした。
何故復帰したのかの本当の理由は分かりませんが、何か不調が起こった場合はバッテリーを引き抜いてからリセット作業を試してみると良いかも知れません。
コメント
たいへん詳しいレビューでとても参考になりました。つい数日前にXF10を中古で購入したばかりのユーザーの感想ですが、このカメラはビューファインダーがないことや、レンズキャップの着脱を頻繁に行う必要があることなどから、スナップ撮影用には最初から考えていなかったので、AFスピードを含めた使い勝手にも十分満足しています(ファームウェアは1.12です)。レンズの描写力については、比較対象のレンズ次第ですね…スペックが近いXF18mm/f2.0あたりと比べると、同じ絞り同士で比較しても、こちらの方がずっと優れていました。特に周辺部の描写の安定感は、前記レンズの利用者としては感動モノです(笑)。
コメント有難うございます。
AFに関してはファームウェアで改善(修正?)したようなので
デメリットにはならなくなったんでしょうね。
今また買って再度使ってみるとまた印象が変わるのかもですね。
私はXF10はかなり前に手放してしまいまして、フジはX-T30を愛用しています。
コンパクトなのにAFも操作性も写りも色も良いから使っていて楽しいカメラでお気に入りです。
X-T30も確かにいいカメラですね。私が富士フイルムのカメラが好きな理由の一つに、カメラの「グレード」によってセンサーや画像エンジンを差別化をしない、という点があります。もちろん、発売のタイミングもあるのですべて平等とは行きませんが、基本的に同じ世代のカメラには同じセンサー/画像エンジンが搭載されるのは素晴らしいことだと思います。このあたりはフィルム屋さんのこだわりなのではないかと想像しています(昔は、超高級カメラでも使い捨てカメラでも同じフィルムが使えるのが当たり前でしたから)。
なるほど。
更に上の画質を求めるならGFXシリーズも用意されていますしね。
AFもソニーあたりと比較しても遜色ないくらいに良くなりましたし、
X-Pro3のような他社じゃ企画も通らないような面白いカメラも出していますし、
カメラメーカーで今一番面白いのが富士フイルムなのかも知れませんね。
このカメラは持っているけど、広角の単焦点なんで割り切って使えば良いと思います。私はリバーサルのリングフラッシュのマクロ撮影の仕事からはじめたので、あの難しさから考えるとどれも易しい。
ただこの頃のスマホの撮影機能から考えると消えていくカメラだとは思う。
AIが綺麗に易しく画像をクラウドに残してくれるなら、デジカメには開発費はかけられないだろう。
どうしてもスマホじゃなくてカメラを持ち歩きたい
という人以外はすでにスマホで十分でしょうから、
仰る通りで消えていくのかも知れませんね。
個人的にはRX1シリーズのような尖ったコンデジがまた発売されれば面白いと思いますけど。